昨年8月、墓地で飼われていた1羽のガチョウが亡くなり、残されたパートナーのガチョウはすっかり落ち込んでいた。墓石に映る自身の姿にパートナーの面影を重ねたのかじっと見つめ続けるガチョウの様子を見て心を痛めた飼い主は、今月14日のバレンタインデーに新しいガチョウのパートナーを紹介した。このガチョウもパートナーを亡くしたばかりだったそうで、2羽はすっかり意気投合したという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。
2018年3月、米アイオワ州マーシャルタウンにあるリバーサイド墓地にガチョウのカップルがやってきた。墓地のゼネラルマネージャーを務めるドリー・タメンさん(Dorie Tammen)はオスのガチョウに“バッド(Bud)”、メスには“ブロッサム(Blossom)”と名付けて飼い始め、2羽は墓地の敷地内で一緒に過ごしていた。
雁の仲間であるガチョウは、一度パートナーを選ぶとどちらかが死ぬまで添い遂げるという。バッドとブロッサムも強い絆で結ばれ仲良く過ごしており、2羽の姿は墓地を訪れる人を癒してきたが、昨年8月にバッドが亡くなってしまった。それからというものブロッサムは1羽だけで寂しそうに墓地を歩くようになり、この姿を見たドリーさんや他のスタッフはなるべくそばにいて励まそうとしたが、ブロッサムの心はなかなか晴れなかった。
時間がかかったものの一時は心の整理がついた様子を見せたブロッサムだったが、繁殖期が近づくと再び孤独を感じてしまったようだ。墓地を歩き回り新しいパートナーを探したが見つからず、ブロッサムは墓石に映った自分の姿を見てバッドのことを思い出したのか、ただひたすら墓石を見つめるようになった。
ドリーさんは「私の知る限り、ブロッサムがパートナーのいない春を迎えるのは今年が初めてです」と話しており、