これは失敗に終わった。
次の救助作戦は、獣医師を呼んで鎮静剤を投与するというものであった。午前3時頃に到着した獣医師のおかげで、牛は睡眠状態に入り無事に横たわらせることができた。そして近くの会社に勤務するボランティア消防士が伸縮式のフォークリフトを借りてきた。この機械のおかげで、牛は牛床に戻ることができたのだ。
この牛は近隣の農場の牛で、農場主のもとに連れ戻されたのは日付が変わった明朝6時頃であった。農場主は元気そうな牛の姿を見てとても喜んでいたそうだ。そして牛小屋にしっかりとカギを閉めた。後になって判明したことだが、この牛はプールに落下する前に仲間の牛3頭と柵から脱走したという。
このハプニングを受け、ネット上では「プールは安全管理がされていたのか? 牛には関係ないかもしれませんが」「こんなことで起こされることを想像してみて下さい…」「私の税金は牛を救うために使われたってこと?」など多くのコメントがあがった。
サン=ポンポン市長のキャロル・アンリさんは「この哀れな消防士たちは、そこで一夜を過ごしたのです。ご協力いただいた方々に感謝いたします」とねぎらいの言葉を送った。
牛が無事に救助されたことは良かったものの、プールの持ち主はあまり喜べないでいた。なぜなら体重600キロの牛の蹄でプールの防水カバーはボロボロになってしまい、またプールの底はストレス下に置かれた牛がした糞や、牛をなだめるために敷かれた干し草で散らかって汚れてしまったからである。
画像は『La Dépêche 2022年6月13日付「Insolite : une vache tombe dans une piscine en Dordogne, les pompiers passent la nuit à la sortir」(Pixabay / illustration)』『Mediavénère 2022年6月10日付Twitter「FLASH – Des pompiers ont passé presque toute la nuit à secourir une putain de vache tombée dans une putain de piscine pleine à Saint-Pompon.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)