クロコダイルはそれを追うように浅瀬に乗り上げ、なおも追い続ける。
数メートルほどの場所まで迫るクロコダイルに焦る様子のスコットさんは帽子を落とすが、魚を諦めることはなく川のギリギリまで近づいてバラマンディを必死に引き上げる。
ここまで来たらなんとしてもバラマンディを守り抜きたいスコットさんは急いで魚を引き上げようとするが獲物は重く、糸がコンクリートの端にひっかかってなかなか釣り上げられない。
周囲からは「もう、やめて!」「クロコダイルに(魚を)あげてしまいなさい!」などとスコットさんの身を案じる叫び声があがるが、本人はすぐそばに迫るクロコダイルを前にしても身を引く様子はない。
そして、ついに目前に姿を現わしたクロコダイルと対峙したスコットさんは、極限まで糸を手繰った釣り竿で一気に魚を引き上げた。
クロコダイルはというと、諦めきれない様子で水面から出ようとするが、バラマンディが陸に完全に引き上げられたのを確認すると、名残惜しそうに頭を振ってそれを見送った。
一歩間違えればクロコダイルの強靭な顎の餌食になり、命を落としたかも知れないスコットさんの行動には「勇敢だ!」「すごい!」などの称賛の声があがる一方、「無謀だ!」「危険すぎるよ」などと非難する声も見見受けられた。
スコットさんは、クロコダイルと対峙した緊迫の様子や当時の心境をこのように振り返っている。
「あの時はアドレナリンが大量に出ていて、よく考えていなかったんだ。でもクロコダイルがどれほど近くに来ているのか気づき、すぐに後ずさったよ!」
「魚が横断路のふちに当たったときに飛び跳ねて、糸がコンクリートに引っかかってしまったんだ。だから川に近づいて、自分自身で引き上げなきゃいけなくなったんだ。」
「竿が折れてしまったけど、間一髪のところで魚を釣り上げたのさ。」
またこの動画には、目前に迫るクロコダイルをナイフで威嚇しつつ、スコットさんが落とした帽子を拾い上げる父親の姿も映し出されていた。この父親の無謀な行動に対し、スコットさんは「何してるんだ! 僕には家族が15人いるけど、父親は1人しかいないんだ」と父に告げたという。
ちなみに豪ノーザンテリトリーでは今年2月、釣り船で寝泊まりしていた釣り人が川でクロコダイルの急襲を受け、命からがら逃げ延びていた。
画像は『Scott Roscarel 2022年4月21日付Instagram「Catching a meter Barra is hard enough without having to fight a croc as well」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)