現場に持ってくるまでにさらに30分もかかってしまったという。ようやくチェーンソーが届き切断作業を行う直前、消防隊員は「チェーンソーの振動により、あなたの魂に響くほど痛むでしょう」とイグナシオさんに伝えたそうだ。
火花を四散させながらの切断作業について、イグナシオさんは「言葉にならないほどの痛みでした。(痛み止めとして)モルヒネを処方されましたが、それも効いていなかったです。急に寒気を感じ、心拍が上昇したのも感じました」と語っている。
なんとか切断作業を終えたイグナシオさんは、近くの総合病院「Hospital Interzonal General de Agudos」に搬送された。手術によりパラソルの支柱を取り除いた医師によると、支柱は太ももを貫通していたものの腱や神経、動脈や静脈にダメージを与えておらず、出血もほとんどなかったという。
医師は「もし支柱が5センチ上の大腿動脈に当たっていたら、イグナシオさんは2022年まで生き延びることはできていなかったでしょう」と明かしており、支柱が最適な場所を貫いていたことに驚いていた。
太ももにパラソルの支柱が刺さるという不運に見舞われながらも、奇跡的な位置だったことでイグナシオさんはその日のうちに退院したそうだ。
イグナシオさんは「その日の夜には歩くこともできたし、クリスマスイブの夜を家族と共に過ごすことができました。医師は本当に素晴らしい仕事をしてくれたと思います」と感謝のコメントを残している。
なお過去にも、運転中に鉄の棒が車体の下から突き抜けて脚を貫通したり、屋根から落ちた作業員に150センチの鉄棒が刺さるという痛ましい事故も発生していた。どちらのケースも避けられない事故だったが、今回のイグナシオさんと同様に奇跡的に助かっている。
画像は『New York Post 2021年12月31日付「Man impaled on giant pole ― but he’s smiling about it」(CEN)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)