飲み込んだイカのクチバシなどが腸壁から出されたネバネバした分泌液で包まれて固まったものだという。以前はクジラの嘔吐物と考えられていたが、現在ではクジラの肛門から排出されるという説が有力で非常に希少だ。
また海面に長い間漂流すると熟成し、乾燥すると独特の香りを放つことから「シャネル N°5」など有名ブランドの香水の原材料として広く用いられ、高く取引される。
『South China Morning Post』によると、過去の1キロあたりの取引価格は約417万円(37500ドル)から約476万円(42791ドル)とのことで、今回ナロンさんが発見した約30キロの龍涎香は1億2500万円以上の価値があることになる。
ナロンさんは「村で龍涎香を見たり触ったりした者はいなくてね。今回の発見には村の誰もが喜んでいるよ。もちろん私も興奮している。どうしたらいいのかわからないくらいさ。ただ本物の龍涎香だという鑑定書はもらっているからね。これから売りに出そうと思っているよ」と興奮冷めやらぬ様子で語っている。
漁師であるナロンさんの1か月の稼ぎは数万円ほどとみられており、「いい値で売れたら、漁師は辞めて友達のためにパーティを開くよ」と明かした。
ちなみにタイでは昨年11月、漁師が約100キロとこれまでで最大級龍涎香を発見しており、価値は3億円を超えると話題となった。
画像は『The Sun 2021年10月5日付「WHALE I’LL BE DAMNED Fisherman set to scoop £1millon after finding huge lump of rare ‘whale vomit’ washed up on Thai beach」(Credit: ViralPress)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)