「櫛でとかせない頭髪症候群(Uncombable Hair Syndrome、以下UHS)」という非常に稀な疾患を持つ6歳女児は、縮れた髪が逆立ってまとまらない。外出すると「髪ぐらいとかしたら?」と言われることがあるというが、本人はいたって明るく自分に自信をもっているという。UHSの女児を持つ両親の声を『The Mirror』『Liverpool Echo』などが伝えている。
英ニューカッスル・アポン・タインに住む4児の母ジル・ペディー=ジョーンズさん(Jill Peddie-Jones、43)が、四女フローレンスちゃん(Florence、6)の頭髪が他の子と違うことに気付いたのは1歳の頃だった。
「姉3人と違って1人だけ明るい金髪でね。チリチリとした逆毛でまとまらず、櫛でとかすこともできなかったの。ただあの頃は『面白い髪だわ』くらいに思っていたのよ」と語るジルさん。
そんなフローレンスちゃんが「櫛でとかせない頭髪症候群(UHS)」と診断されたのは3歳の頃で、フリーマーケットで出会った医師に「重い病気かもしれないから、目と心臓の検査をするように」と勧められたのがきっかけだった。
ジルさんは「検査を勧めてくれた医師は違う病気を疑っていたようだけど、UHSであることが分かったの。娘の場合、髪がまとまらず爪が伸びるのが異常に早いのが特徴ね。爪は1週間に1、2度は切らなくてはいけないのよ」と明かしている。
UHSは3つの遺伝子の突然変異が原因で毛幹のたんぱく質の生成が妨げられて発症し、50%以上の患者の毛幹(毛髪の断面)がハート形や三角形だという。また髪の色はシルバーや金で伸びる速度は遅く、骨や歯、爪などの形成不全を伴うこともある。世界で100例ほどしか報告されておらず、