髪が常に逆毛で櫛を入れてもとかすことが困難な「櫛でとかせない頭髪症候群(Uncombable Hair Syndrome)」は、世界で100例ほどしか報告されていない非常に稀な疾患だ。このたびこの疾患を患う10歳の女児とその母親が『LADbible』『Metro』などのインタビューに応じ、素直な胸のうちを明かした。
豪ビクトリア州メルボルンに住むシーラ・マディソン・キャルバート=インちゃん(Shilah Madison Calvert-Yin、10)は、世界での報告が100例ほどという非常に珍しい疾患「櫛でとかせない頭髪症候群(Uncombable Hair Syndrome、以下UHS)」を患っている。
教師である母セレステさん(Celeste、39)が「娘の髪が普通と違う」と気付いたのは生後3か月の頃で、「赤ちゃん特有の茶色い髪が抜け落ち、真っ直ぐな金髪が生えてきたのですが、まるで綿毛のようにフサフサで落ち着くことはありませんでした。ただその時はUHSのことは全く頭になかったのです」と当時を振り返る。
しかしながらシーラちゃんの髪は年を重ねる毎に乾燥して細くなり、朝起きると柔らかい髪が絡まり固まってしまうようになった。そしてセレステさんがシーラちゃんを連れて外出すると、断りもなしに写真を撮ったり、髪に触ったり、「まるでコンセントに指を突っ込んで、身体に電流が流れたみたいだね」など心無いコメントをしてくる人もいたそうだ。
セレステさんは「あの頃は娘よりも私の方が傷ついていました」と明かし、こう続けた。
「2014年のことでした。ショッピングモールで映画『ジュラシック・パーク』をテーマにしたイベントがあったのです。シーラはそこで白衣を身に着けゴーグルをつけていたのですが、その姿が映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の“ドク”ことエメット・ブラウン博士にそっくりだと噂になり、“ドク・ブラウン”と呼ばれたこともありました。また『アインシュタインに似ているね』と言ってくる人もいたのです。」
「そして4歳だったある日のこと、逆立ってまとまらない髪に嫌気がさしたシーラは、大胆にも自分の髪をハサミで切ってしまったのです。ただ余計に髪がツンツンと立ってしまい、髪がもとに戻るのに2年もかかりました。娘はそんな髪を人に見せるのが嫌で、頭にスカーフを巻いて過ごしていたのです。」
そんなシーラちゃんが「UHS」と診断されたのは7歳の時で、