ライアンさんはそうなってから初めて事の深刻さに気付いたという。
ライアンさんは「慌てて道路脇に車を停めて、緊急コールをしたんだ。赤ちゃんの頭が出てくるのが見えてね」と笑うが、ここからが大変だった。
実はその後、赤ちゃんは頭を出したままの状態で2分ほど留まり、肩が引っかかって出てこなかった。
録音されていたライアンさんとオペレーターの会話では、ライアンさんが「赤ちゃんは呼吸もしていないし、動きもしないよ。皮膚は本当に、本当に、本当に青いんだ。へその緒が首に巻きついているんだと思う」と説明している。
オペレーターが「へその緒を指で優しく外してみて」と指示してしばらくすると突然、元気な赤ちゃんの泣き声が響き渡った。ゲイラさんが力んだ直後だったそうで、ライアンさんは「出てきた。出てきた。出てきた。出てきたよ」と早口で同じ言葉を4回も繰り返している。
ライアンさんはこの時、オペレーターに言われた通りに赤ちゃんの肩を掴んで引っ張り出し、出てきたことで緩んだへその緒を首から外したそうで「最初は怖かったけど、この手でしっかりと赤ちゃんを受け止めることができたんだ」と誇らしそうに述べた。
『WKRN』によると、ライアンさんが緊急コールをしたのは午前8時51分で、赤ちゃん誕生は5分後の8時56分だったという。親子はその後、駆けつけた救急隊員によって病院に搬送されており、赤ちゃんは「車の中で産まれた息子」という意味を持つカーソン君(Carson)と名付けられた。誕生時の体重は約3260グラム、身長は約52センチで非常に元気だったという。
なおライアンさんは高速道路脇で我が子を取り上げたことについて、最後にこのように語った。
「これまで様々な荷物をお客様に届けてきたけど、まさか我が子をデリバリーする(赤ちゃんを取り上げること)とは思いもしなかったよ。分娩に立ち会えたことは、素晴らしい経験だったね。」
ちなみに昨年4月にはイギリスで、陣痛が始まった妻を乗せた車を運転していた男性が、時速145キロを出し警察に追われながら病院まで走り抜けて話題になった。こちらの赤ちゃんも病院まで待てず、女性は助手席で出産していた。
画像は『Mirror 2021年6月20日付「Couple save newborn baby’s life after wife gives birth on the motorway」(Image: Jam Press/Gayla Thompson)』『WZTV 2021年6月18日付「Expectant Tennessee mom gives birth on side of Nashville’s I-440 with help of husband」(PHOTO courtesy Gayla Thompson to FOX 17 News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)