夫の運転で病院に向かっていた妊婦が、車の中で破水してしまった。すぐに赤ちゃんが頭を出すも、肩が引っかかってなかなか出てこない。顔は青ざめ、呼吸もしていない…。そんなトラブル続きの分娩を介助したのは、911(緊急コール)オペレーターの指示を受けて対応した夫だった。病院まで待てなかった、ちょっぴりせっかちな赤ちゃんの出産を『Inside Edition』『WZTV』などが伝えた。
米テネシー州ナッシュビル郊外のマウント・ジュリエットに住む妊婦ゲイラ・トンプソンさん(29)は5年前、第1子を自然分娩で出産した。しかし「2人目は無痛分娩で産みたい」と希望し、車で30分の距離にあるナッシュビルの病院に通院していた。
今月15日のこと、ゲイラさんは一日中弱い陣痛を感じていたが「長男を預けなくてはいけないし、病院に行って帰されてしまうのも嫌だし、すぐに産まれることはないだろう」と自宅で眠りについた。
そして翌朝、陣痛は予想していた以上に強くなり、ゲイラさんは貨物運送会社「UPS(ユナイテッド・パーセル・サービス)」でドライバーをしている夫ライアンさん(30)に連絡し、病院まで愛車のジープ・ラングラーで連れて行ってもらうことにした。
ゲイラさんは「陣痛が激しく、自宅を出てから夫に『緊急コールをするか、ハザードランプをつけて中央帯を突っ走って!』とお願いしたの。でも夫は『十分間に合う。時間の無駄だよ』と取り合ってはくれなかった。20分ほどしてナッシュビルに近い高速道路まで来ると、赤ちゃんの頭が出てくるのが分かったわ。だってその直前に破水したのよ」と当時を振り返る。
それまで陣痛のたびに叫び続けていたゲイラさんはあまりの痛みに声を出すことさえできなかったそうで、