2013年の54歳の時に負のスパイラルから抜け出すことを決意した。しかし長年の習慣を1人で立ち切るのは簡単なことではなかった。
「知り合いに連絡して助けを求めてみましたが、私を必要とする人は誰もおらず、誰1人助けてくれる人もいませんでした。」
希望を失いかけていたジョセフさんだったが、同州アナハイムにある依存治療センター「Salvation Army Anaheim Adult Rehabilitation Center’s」から更生プログラムの話を持ちかけられた。そして1年間のプログラムを終えたジョセフさんは、同州コスタメサにあるオレンジ・コースト大学に入学、その後カリフォルニア州立大学ロングビーチ校に転校し、好成績で卒業したのだ。
ジョセフさんは『ABC7 News』のインタビューに、嗚咽を漏らしながらこのように述べている。
「母が亡くなってから14年が経ちます。母はどんな時も私に対して希望を捨てず、『お前は頭が良い子だから、何にでもなれるよ』と言い続けてくれました。優秀な成績で大学を卒業できたこの姿を、母にも見せたかった。」
ジョセフさんの母アニータ・ヴァラデスさん(Anita Valadez)は、薬物と暴力に溺れて監獄とホームレス生活を繰り返すジョセフさんに優しい言葉をかけ、見守り続けていた。
「私みたいな人間は、間違ったイメージが付きやすいです。私はそのイメージを変えたいと思いました。」
そのように明かすジョセフさんは現在、同大学の博士課程に進むための申請をしているそうで、「こんな私が変わることができたのだから、誰だって変わることはできるんです。私は誰かのモチベーションや希望となり、助けていきたいと考えています。それがこれからの私の役目なのです」と前向きに語っている。
画像は『Long Beach Post 2021年2月16日付「‘If I can do it, anyone can’: CSULB grad’s journey from addict to A-student goes viral」(Photographs by Miguel de la Rosa)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)