「こんな私でも変わることができたから、誰でもできる」 そう明かした男性は、若い時から薬や暴力が蔓延る世界に足を踏み入れてしまい、人生の半分にあたる30年以上を獄中で過ごしてきた。それでも自分を信じ続けてくれた亡き母の思いを胸に、過去を清算するためのけじめとして大学へ進学、このほど優秀な成績で見事卒業した。『ABC7 News』などが伝えている。
米カリフォルニア州在住のジョセフ・ヴァラデスさん(Joseph Valadez)は、62歳でカリフォルニア州立大学ロングビーチ校の社会学部を卒業した。この年齢で卒業したということだけでも驚きだが、ジョセフさんは 最優秀成績者の1人である“President’s Honor List”として表彰されたのだ。
同大学では各学期に12単位以上を受講し、その成績を表すGPA(最大4.0)が3.75以上だった人が表彰されるというシステムだ。
アメリカの大学では3.5以上の高いGPAを維持するために予習復習を欠かさず、授業では積極的な質問や発言、さらに提出物の期限厳守はもちろんのこと、そのクオリティも高いものが求められる。ジョセフさんはこれらのことをコツコツと努力し続けて優秀な成績をおさめたのだ。
ここまで聞くと「元から真面目な性格だったんだろう」と思う人もいるかもしれないが、実はそうではない。ジョセフさんは11歳の時に薬物にのめり込み、そのままギャングのメンバーと繋がりを持つようになってしまった。そして薬物依存に陥っては投獄されるという生活が、約38年間も続いたという。
「私が犯した罪は、全て薬物の売買に関わるものでした」と明かすジョセフさんはこれまで40回も投獄されたが、