8,344ポンド(約117万円)もの寄付金が集まった。さらには結婚式用の花や車なども届いたという。
そして大勢の人を騙したまま昨年夏、トニーの結婚式が行われた。驚くべきことに新郎のジムさんですらトニーの嘘を信じており、騙されたままだった。トニーの父親デレクさんは娘の花嫁姿を見ることなく亡くなってしまったそうだが、トニーに向けたビデオメッセージで登場した。メッセージの後にトニーは立ち上がり、ジョークを交えながらも完璧なスピーチを行った。
お祝いのメッセージはこれだけでなく、リヴァプールのプロサッカークラブ「エヴァートンFC」のトッププレイヤーの計らいで同クラブからもメッセージが届いた。
しかし出席者によると、デレクさんと「エヴァートンFC」からのメッセージにトニーは大笑いしており、ここで疑問を持った人がいたようだ。さらに結婚式後にトニーはヨーロッパ旅行を満喫しており、トニーの病気を疑う人が増え始めた。
するとしばらくしてトニーは友人2人に、今度は「新型コロナウイルスに罹患した」と伝えた。そこで友人は三者間通話にて「がんを患っていないのでは?」と問いただすと、トニーはすべて嘘だったことを明かし、過去に一度もがんを患っていないことを白状した。
また友人に宛てたテキストメッセージでは、このように打ち明けた。
「2人とも大好きよ。この数年、すべてのことに感謝しているわ。本当に申し訳ないことをしたと思ってて、心が痛むし苦しい。話さなければいけないことはたくさんあるけど、何から話せばいいのか分からない。ジムと離婚するかどうかも分からないけれど、彼がそうしたいと思うのなら彼を責めないし、もちろん2人を責めるつもりもないわ。」
結婚相手まで騙したトニーの詐欺行為に、上級地方検察官のニール・コルヴィル氏(Neil Colville)は「今回の件は、数年にわたる大掛かりな詐欺です。トニーは大勢の人の気持ちを裏切ったことで、人々の心には大きな傷が残りました。地元のあるビジネスマンは、トニーの話に同情して2,000ポンド(約28万円)の寄付をしているのです」と明かした。
裁判官のニコラス・サンダース氏(Nicholas Sanders)も「やめられなかったなんて言い訳は通用しません。嘘を止めなかっただけではなく、新聞のインタビューに応じ、大勢の同情を買うなど状況をより悪化させています。すべての人があなたの行為に驚愕していますよ」とコメントした。
トニーには懲役5か月の判決が下され、2,000ポンドを寄付した地元ビジネスマンの男性に同額を払い戻すように命じられた。
なおこのニュースには、人々から「最低すぎる。まるで『オオカミ少年』みたい」「彼女にはいつか罰が当たるよ」「懲役たった5か月だなんて短すぎる」と怒りの声が多数あがっている。
画像は『Manchester Evening News 2020年12月23日付「Woman who faked terminal cancer diagnosis to pay for dream wedding is jailed」(Image: CPS)(Image: Screengrab | Mirror)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)