薬による昏睡状態から目覚めた。しかしその後は両脚ふくらはぎ、お尻、手から肘にかけて広範囲に及んだ壊死組織を取り除くつらい手術が待っていた。特に脚の壊疽は深刻で、医師はオリヴィエ君の命を救うために左脚の膝下と右足首下を切断した。右脚は何とか維持できたものの、膝から下は皮膚移植が必要で、その手術は複数回に及んだ。
こうして入退院を繰り返しながらも、オリヴィエ君は時間をかけて義足で歩くことを学んできた。成長が著しいオリヴィエ君の義足は4~6か月毎に新しいものと取り替えなくてはならず、まだ走ることはできない。しかしその足取りはしっかりとしており、パトリシアさんは「オリヴィエはかなりのいたずらっ子。他の2歳児がすることを何でもやりたがり、できないことでも決して諦めたりしないのです。きっとそのうち『僕、走りたい』と言い出すと思いますよ」と笑う。
そして8月23日、オリヴィエ君が三輪車に初めて乗った。ペダルがないため義足で地面を蹴らなくてはならないが、そんなハンデなどものともせずにとても楽しそうだ。
パトリシアさんは最後に、オリヴィエ君がここまで元気を取り戻したことについてこう述べている。
「あの子はいつも笑顔で、私たちに『不可能なことはないんだ』と教えてくれます。生存できる確率がたった0.1%しかなかったあの子のこれまでの頑張りを考えたら、三輪車に乗っていることはまるで魔法にでもかかったような、そんな素晴らしい一歩なんですよ。」
画像は『LADbible 2020年8月30日付「Boy Who Had Both Feet Amputated Rides Bike For First Time」(Credit: Caters)』『Metro 2020年8月30日付「Toddler who had both legs amputated due to sepsis learns to ride a bike for first time」(Picture: Caters)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)