主人公の半沢直樹がある時は陰謀を企む上司、ある時は理不尽な権力に屈することなく追い詰めて非を認めさせる。半沢役の堺雅人が相手と睨みあい、叱責する姿にはスカッとするものだ。TBS日曜劇場『半沢直樹』の大きな見どころであるそのシーンをリアルに感じ、影響を受ける人が少なくないようだ。
お笑いコンビ・鬼越トマホークのスキンヘッドのほう、坂井良多は8月25日のTwitterで、自身のマネージャーについてつぶやいている。『半沢直樹』を観るとテンションが上がってしまい、月曜日に出勤すると「上司に楯突いちゃうんですよ!」と話していたという。
『半沢直樹』とリアルが交錯するケースには、鬼越トマホークのマネージャーのように自身が影響を受けるパターンと、ドラマの展開を現実の社会情勢に重ねる場合があるようだ。
出向先の東京セントラル証券から東京中央銀行に戻った半沢直樹に課せられたのは、破綻寸前である帝国航空の経営再建だった。しかし新たに国土交通大臣に就任した白井亜希子(江口のりこ)が“帝国航空再生タスクフォース”を立ち上げて、帝国航空に債権を保有している銀行に「一律7割の債権放棄」を提案したことで半沢と対立関係になる。
現実では2009年9月、日本航空の経営再建のため国土交通大臣直轄の“JAL再生タスクフォース”が設置された。また関西電力の役員たちが高浜原発を巡り多額の金品を受け取っていた問題で今年3月16日に経済産業省が業務改善命令を出せば、