身体の右側をコントロールするカルメンさんは社交的でよく話し、化粧好き、ルピタさんは大人しいもののユーモアがあり、化粧にはほとんど興味がないそうだ。
そんな2人が今一番欲しいものは、車の免許だそうで、右脚を使えて少しだけ背が高いカルメンさんが仮免許を取得している。カルメンさんはこれまでに本試験を2回受けたが、どちらも不合格だったようで「自分たちだけで車を運転できるようになれば、行動範囲も広がるでしょう。週末に家にじっとしているのは嫌なの。だって友達のところに行って遊びたいもの。だからまた挑戦するわ」と前向きだ。一方で左脚をコントロールするルピタさんは、一度事故を起こしかけたそうで「父に運転を禁止されたの。だから私は運転をしないわ」とカルメンさんの本免許取得に期待を寄せているようだ。
どこまでも明るく前向きな2人だが、20年間は偏見との闘いだったそうで「『エイリアン』とか『気持ち悪い』とかよく言われるわ。受け止め方はその日の気分にもよるけど、大抵はジョークで返すようにしているの。それでも『どうやってトイレに行くの?』とか『デートはどうするの?』とか、かなりぶしつけな質問をしてくる人もいるのよ。トイレは行きたいときに行くし、デートは2対2よ。私たちはリスペクトを持って接してくれる人であれば、誰とだって友達になるのにね」と明かしている。
2人の今の一番の心配事は「メキシコからの移民である自分たち家族が、今後もアメリカに滞在できるかどうか」ということで、強硬な移民政策を掲げるトランプ政権の動きによっては、これまでのように毎年ビザを更新できなくなるかもしれないという。2人は「人生のほとんどをアメリカで過ごしているのに今、メキシコに帰れと言われてもどうしたらいいのかわからない。またアメリカの医療機関で治療できなくなることも心配なの」と不安を口にする。
それでも週2回、ノースウェスタン・コネチカット・コミュニティ大学に通っている2人は、来年には卒業を控えている。そして将来について聞かれると「4年制大学に編入して畜産学の学位を取得したいわ。そしてゆくゆくは牛や馬などの家畜に携わる仕事をしたいの」と迷いなく答え、最後にこんな力強いコメントを残している。
「高校時代にお世話になったダベンポート先生は、私たちの障がいについては一言も触れたことがなかったわ。そしていつも『君たちにできないことはないんだよ』という態度で接してくれた。私たち双子はこれからも一生離れることはないけど、みんなには“2人の個性ある人間”として接してもらえれば嬉しいわ!」
画像は『Special Books by Special Kids 2020年7月23日公開 YouTube「Conjoined Twins who Share Internal Organs (They are NOT a Sideshow!)」』のサムネイル、『Carmen 2019年8月22日付Instagram「Today I learned #nationalconjoinedtwinsday is a real thing.」、2018年6月24日付Instagram「Ya girls are graduated」、2020年8月3日付Instagram「Life’s a beach and you’re here dude」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)