そのなかには憔悴しきった表情の3人兄妹の両親の姿もあった。愛する子供たち3人を一度に亡くした父親のダニエル・アブダラさん(Daniel Abdallah)は、メディアのインタビューにこう語っている。
「私には妻レイラとの間に授かった6人の美しい子供たちがいます。でも昨日、そのうちの3人が亡くなりました。私は今、何も感じることができません。私が言えることは、運転手のみなさん、どうか気を付けて車を運転して下さいということだけです。子供たちはただ楽しくワイワイ歩いていただけなのです…。でも今朝目覚めたら、もう3人はいないのです。」
「(息子の)アントニーは13歳、ハンサムでバスケットボールが大好きでした。あの日の朝、彼は『コビー・ブライアントのためにバスケットをするんだ』って言っていました。」
「アンジェリーナ(12)は小さなヘルパーで、私をいつも助けてくれました。必要な物がある時にはとても頼りになったのです。」
「シエナ(9)は小さなディーヴァ(歌姫)であり、小さなアクトレス(女優)でした。」
「私にとって仕事はパートタイム、父親がフルタイムの仕事でした。6人の子育てを心から楽しんでいたのに…。もうあの子たちはいないのです。」
「あの夜、子供たちに『ちょっと外に行っておいでよ。みんなで一緒なら大丈夫だから』って言ったんです。子供たちだけの楽しい時間を過ごさせてあげたかった。わかるでしょう。こんな事故は滅多に起こるものではないのに…。」
そして母親のレイラさんも友人らに支えられて事故現場にやってくると、このように述べた。
「事故があったなんて今でも信じられません。まだ子供たちは生きていて、私のもとに帰ってくる気がしてならないのです。今朝目覚めた時に、あの子たちがまだ私のそばにいてお互いを励まし合ったり、じゃれあったりしている光景が浮かびました。現実は違うとわかっていても、まだあの子たちを待っている自分がいるんです。あの子たちを思うと心がはちきれそうです。」
3人の従妹であるベロニカちゃん(11)の家族も2日午後、「美しい少女をこのような形で亡くし言葉もありません。私たち家族は悲しみに打ちひしがれています」と声明を発表した。
現場に駆けつけたニューサウスウェールズ州の救急隊員は「現場は混乱し、まるで大虐殺の後のようでした。非常につらい状況下での対応でした」と明かしている。
サミュエルの初出廷は4月に予定されており、有罪が確定すれば最長で25年の刑が科せられるという。
画像は『Sydney Morning Herald 2020年2月2日付「‘They were just walking on the footpath’: Four children killed, one critical in Sydney crash」(EDWINA PICKLES)(NINE NEWS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)