2018年10月1日にオジー君が誕生した。オモボラさんは誕生の瞬間の気持ちを次のように語っている。
「オジーは生きてるの? 死んでるの? 頭は大丈夫だった? 手足の数は? 私は大丈夫なのかしら…様々なことが頭の中を駆け巡ったわ。オジーは泣かなかったけど、くしゃみをして『あ、この子は生きてる』と分かったの。そしてオジーが私の胸にのせられた瞬間、私は息子に恋に落ちてしまった。顔の3分の1は頭蓋からはみ出した脳瘤で覆われていたし頭は変形していたけど、オジーは私にとって完璧だったわ。私の心は息子への愛で満ち溢れてしまったのよ。」
オジー君のもとには牧師がやってきて祈りを捧げ、最初で最期になるかもしれない写真撮影が行われた。医師はオジー君を集中治療室へ連れていくことはせず、一家は家族水入らずの貴重な時間を病室で過ごしたが、オモボラさんの気持ちは揺れていた。
「怖かったわ。トイレに行っている間にオジーが逝ってしまうのではないかと思ったり、気が気じゃなかった。でも1時間、2時間とすぎる毎にあの子は強くなっていったの。そして私は『この子は生きるんだ。どこにも行きやしないんだ』って確信したわ。」
そんなオモボラさんの直感通り、オジー君は2日後に退院した。退院後しばらくはホスピスケアを受けていたが、現在は自宅で過ごし看護師の訪問を受けている。また2019年2月には脳瘤の切除手術も受けており、来月1日には1歳4か月を迎える。
オモボラさんはオジー君の成長を‟奇跡”と語り、こう続けた。
「オジーの誕生後数か月は、感情的になり、精神的にも辛い日々が続いたわ。暗闇の中を彷徨っている感じだった。」
「今のオジーは発達障がいがあり、まだハイハイもできないし、痙攣を起こさないための薬も必要なの。聴覚や視覚障がいについてはまだはっきりとは分かっていないけど、それでもオジーの笑顔はみんなの心を溶かして温かくしてくれるの。」
「外出するとオジーのことをじっと見てくる人や質問してくる人もいるけど、そんな時は『この子は奇跡は起こるということを証明してくれているのよ』と話すわ。そして脳の一部がなくて外見が人と違っても、オジーを愛情いっぱいに育てていることを伝えるの。障がいがあるからといって、子供を愛さない親などいないでしょう。」
「私と同じような悩みを抱える人はたくさんいるはずよ。だからオジーの話をみんなに知ってもらって、インスパイアできれば嬉しいわ。それに『あなたは一人じゃない』って伝えたくて。」
オモボラさんのInstagramには家族の写真が多数投稿されている。その中でも一際輝いているのは、オジー君の笑顔なのだ。
画像は『Moby Gordon 2019年12月21日付Instagram「someone was helping me set up some decorations for his little photo shoot.」、2019年8月10日付Instagram「Your personality is unmatched, your smile lights up the room」、2019年10月5日付Instagram「Happiest baby on earth @ the happiest place on earth」』『anencephaly.info 2019年7月16日付「Ozzie Isaiah」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)