米ニュージャージー州で、頭蓋骨の外に脳が突出した‟外脳症”という先天異常を持って誕生した男児が生後7か月を迎えた。外脳症で生まれた子のこれまでの最長生存時間は3時間で、母親は妊娠中に医師から中絶を勧められたものの「ほんの少しだけでも我が子と対面できたら」と産むことを決断したという。‟奇跡の子”の踏ん張りを『The Sun』『New York Post』などが伝えている。
ニュージャージー州バーゲン郡ガーフィールド在住のマリア・サンタ・マリアさん(30)は3月7日、同郡ハッケンサック大学メディカル・センターでルーカス君を出産した。マリアさんは妊娠10週目の最初の超音波検査の時に、医師から「胎児の頭蓋骨の一部が欠損し、脳が外側に突出している。出産しても1日も持たないので、中絶をしたほうが良い」と告げられたが、悩んだ末に出産することにした。
医師の告知以来の心の揺れを、マリアさんは『ABC News』に次のように話している。
「医師からの言葉は衝撃的でした。中絶か、出産か。どうすればよいのかわからなくなって、病気について徹底的にリサーチしたのです。そして夫と話し合いを重ねた結果、『たとえ赤ちゃんと5分しか一緒に過ごすことができなくても構わない。出産する価値はある』という決断を下しました。」
「出産の日は、ルーカスがいつ亡くなってもいいように、3歳、7歳、8歳の3人の娘も分娩室に入りました。ルーカスと対面する最初の日が、最期のお別れになると思ったからです。病院には3人の子供たちの心のケアをしてくれるチャイルド・ライフ・スペシャリストにも待機してもらい、ルーカスの葬儀の段取りも整えていました。」