このほどアメリカで、無鼻症という病気を持って生まれた男児がわずか2歳でその生涯を閉じた。生後まもない頃、多くのメディアで紹介された男児は愛くるしい笑顔で人々の心を温かくしてきた。両親のFacebookにはこれまで彼を見守ってきた人達の悲しみのコメントが次々と寄せられていることを『AL.com』などが伝えた。
米アラバマ州に住むジェレミー・フィンチさんとブランディ・マグラザリーさん(2人は夫婦関係ではない)の愛する息子イーライ君が、今月3日午後10時40分頃にモービルにあるスプリングヒル・メディカル・センター(Springhill Medical Center)で息を引き取った。
イーライ君は2015年3月4日、サウス・ボールドウィン病院(South Baldwin Hospital)で生まれた。初めて我が子と対面した時、母親のブランディさんは驚きを隠せなかった。なぜならイーラン君には鼻が無かったのだ。緊急処置のためチルドレンズ・アンド・ウィメンズ病院(Children’s and Women’s Hospital)にすぐに搬送された。
イーライ君の病気は‟先天性無鼻症”といい、1億9700万分の1の確率で起こる非常に稀な病気で世界でも約37の症例しか報告されていないという。生後5日目にして呼吸確保のため気管切開手術を受けたものの、医師からは無鼻症以外は健康体だと言われていた。しかしイーライ君は今年2歳の誕生日を迎えた2か月後に、この世を去ってしまった。
父親のジェレミーさんはアナマリーさんという女性と今年結婚しており、イーライ君を亡くしたことを知らせるジェレミーさんとアナマリーさんのFacebookには「イーライが大好きだった」「彼はいつも笑っていた。とても残念に思う」「私達の坊やが平和に満たされてることを願う」といった彼を愛していた人々からのコメントが寄せられている。
イーライ君の産みの母親ブランディさんは「Eli’s Story」というFacebookにイーライ君の成長する姿を投稿していたが、彼の亡き後すぐにアカウントを削除してしまった。よほど悲しみが深かったのであろう。ブランディさん個人のFacebookには、「イーライを産んで育て上げた母としての私の悲しみを誰も理解できないでしょう。私とイーライの絆は本当に深いものでした。亡くなってしまいましたが、私が彼の母であることには変わりはありません」と綴っている。