アミラに大きな変化が訪れた。アレッポの通りでモハマッドさんたちに救助・保護された1匹の仔猫と運命の出会いを迎えたのである。聖地に連れて来られ“ジュニア”と名付けられた仔猫は、アミラの抱いていたクマのぬいぐるみに興味を示しゆっくりと近寄った。ジュニアもまた母親を失いアミラ同様“ひとりぼっち”の境遇だったため、温かさを欲していたのだろう。そろそろと近付いてきたジュニアの小さな鼻がアミラの顔に触れると、アミラはたちまち愛情を感じたようだ。数日後には、ジュニアのおかげでアミラはもうぬいぐるみを必要とせず、2匹はぴったりと寄り添いまるで親子のように離れられない存在となった。
小さなジュニアが背中に上ったりまとわりついてきてもアミラは決して怒ることなく、むしろとても幸せそうな様子だ。Facebookアカウント「Alaa and house of Cats Ernesto in Aleppo」には、アミラとジュニアが同じ皿から一緒に餌を食べたりじゃれ合ったり、昼寝をしたりする微笑ましい姿が数多く投稿されている。辛い経験をしたであろう2匹だが、今は互いに寄り添い癒される存在ができたと確信しているようだ。
現在、この聖地にはおよそ80匹の猫が保護されているという。不安定な情勢の中、危険と背中合わせのアレッポでリスクを背負いながらも、モハマッドさんらボランティアたちの救済活動はまだまだ続いていく。
画像は『Alaa and house of Cats Ernesto in Aleppo 2018年5月11日付、2018年5月9日付Facebook』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)