猫を飼うことができなかった。そこで「先に動物病院へ連れて行った方がいいよ。僕がお金を払うから」とクイン君が主張したことで一家は猫を動物病院へ連れて行ったが、そこで獣医師が猫のマイクロチップの情報を読み取ると、16年前に埋め込まれていたものであることが分かったのだ。
その後、獣医師はトレジャーコーストの動物愛護協会に連絡しT2を預けた。トレジャーコースト動物愛護協会では、チップ内の情報でペリーさんの過去の電話番号しかわからず、追跡するのに手間取ったという。しかしついに、ペリーさんの連絡先がわかったのである。
3月9日、T2にマイクロチップを埋め込んだ動物病院から連絡を受けたペリーさんは「もしT2が生きていたと言ったら、どうしますか」と尋ねられて驚いたが、「それはクレイジーですよ。だってT2はもうずっと前に亡くなっているはずですから」と答えた。しかしT2は18歳になっても生きていたのである。その3日後、ペリーさんは車で40分の距離にある施設まで会いに行った。
「籠に入って横たわっていた猫を見て、すぐにT2だとわかりました。T2を抱きしめた瞬間、喜びが沸き上がってきました。私とT2の絆が、今回の再会という奇跡を運んでくれたのです。」
T2が飼い主のもとへ戻ったという知らせを受けたワズワースさん一家も、「まるでおとぎ話のようなハッピーエンディングですね。あの猫、仔猫だと思っていたのですがそんなに高齢だったなんて」と驚きと喜びを露わにした。
ペリーさんは「恐らくT2はどこかで飼われていたのでしょう。14年間も野良で、事故にも遭わず動物管理局員にも見つからず生き続けることは困難でしょうから」と言う。トレジャーコースト動物愛護協会の里親ケアマネージャー、ディードリー・ハフマンさんは「T2のストーリーが他のペットの飼い主をインスパイアできれば。マイクロチップを埋め込んで情報を更新さえしていれば、どんなに長い間行方不明になっていても愛するペットと再会することが可能になるのです」と話している。なお、アメリカ国内では飼い猫のほとんどがマイクロチップを埋め込まれておらず、離れ離れになってしまった時に飼い主と再会できるのはわずか2%だという。ちなみに犬の場合は20%とのことだ。
現在、1歳のゴールデン・レトリバー“サッシー”を飼っているペリーさんは、「T2は餌も食べて元気にしていますよ。残り少ない余生、思いきり甘やかしてあげたいですね。以前していたように」と語っており、14年ぶりに我が家に戻って来た“旧友”との日々を大切に過ごしているという。
画像は『Today 2018年3月27日付「Missing cat reunites with owner after 14 years in ‘fairy tale’ ending」(Courtesy Of Doreen Poreba)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)