菅田将暉が10月16日に放送されたNHK総合『鶴瓶の家族に乾杯「おんな城主直虎SP 菅田将暉と滋賀県彦根市へ」』に出演した。途中から鶴瓶とは別にひとりでロケを行うなか、ギャラリーで見かけて気になった絵を描く画家の自宅を訪れた菅田。彼の飾らぬ人柄にすぐに引き込まれていった。
落ち着いた雰囲気の絵を描く画家はどのような人物かと思いつつ、教えてもらった家に行くと出迎えてくれたのは意外にも若い画家の吉田さん(34歳)だった。おばあちゃんの家をアトリエにして絵を描いており、菅田はずらりと並ぶ作品を見渡すうちに「梅の絵」に目が留まる。花のついた梅の木を描いたものだが奥に広がるような黒っぽい背景が印象的だ。
「時間も空間も超越している、想像する部分が多い」という菅田に、吉田さんは「特に余白の部分とか大きくとるのが好き」と話し始めた。壺に挿してあった梅の木を描く際に、現実では部屋の背景があるところを「そこは、いらんなって足し算と引き算やと思う」と自分のイメージに任せたという。
その言葉に菅田が反応して「引くのって勇気がいる、足していく方が安心する。お芝居もそうなんですけど」と蜷川幸雄さんが亡くなる2年前に演出した舞台『ロミオとジュリエット』(2014年)でのことを振り返る。彼はとにかく「パワフルに思いっきり勢いで出して出して! 体全部を使って」演じたが、客にとって「観てて疲れる」と言われた。
悩みを蜷川さんに相談したところ「ちょっと引いてみ」とアドバイスしてもらい、全力を出すシーンを決めて他は全部引くようにすると「そしたら評判が倍くらいに上がって」という。それには吉田さんが「倍はでかいですね!」と感心して「だから間ってそういうことなのかな」「自然に掴めて感じることができる、それがズキって刺さったりホワッとしたり、そんなんが面白いですね」というので、菅田も「面白いですね、俺、たぶん延々といられますよココ」とすっかり意気投合するのだった。