米アイオワ州ジョンストンに住むケイソン・イールベック君(10歳)は、青、紫、赤、緑の区別をつけることができない遺伝性の色覚異常を持って生まれた。ケイソン君は全体的に鈍い色の視界を持っており、これまで目にするもののほとんどがくすんで映っていたようだ。
ケイソン君の両親アーロンさんとジャッキーさんが息子に特殊な眼鏡を購入してあげたいと思ったのはある日、バスケの試合を見た時だったそうだ。ケイソン君のチームのユニフォームは紫で、敵のユニフォームは青だった。ケイソン君にとってはこの色の違いがわからないために試合は複雑なものになり、事故で腕を骨折してしまうというアクシデントに見舞われた。
両親はケイソン君の色の識別を助ける方法はないかとネットでリサーチしたところ、カリフォルニア州のバークリーの「EnChroma」という会社が色覚を補正する眼鏡を販売していることを知った。レンズが特定の波長をカットし、三原色をよりはっきりと認識することができるという。しかしその効果がある確率は50%である。もし息子には効果がなかったとしたら…と両親はためらったものの、ケイソン君自身はかねてからその眼鏡の存在をネットで見て知っており「欲しい」と言っていたそうだ。
そこで骨折した息子を励ます意味合いも込めて、両親はサプライズで眼鏡を購入しケイソン君にプレゼントした。そしてケイソン君が初めてその眼鏡をかけた時、父アーロンさんに「違いがわかる?」と聞かれてうなずいたケイソン君はアーロンさんに抱きついたのだ。これまでの視界とは全く異なる色が現れたことに驚き、嬉しさで涙を流す様子は動画にも収められている。
ケイソン君は「目の前のものが明るく鮮やかになって、いきなり目の前に現れたように感じて驚きました」と語っている。「あの日以来人生が変わった」というケイソン君は現在、好きな漫画も楽しむことができる喜びを堪能しているようだ。母ジャッキーさんによると、家族で昔行ったホリデーの写真を見たりもしているという。
なおこの眼鏡を製造する「EnChroma」は、「あくまでも視覚補助器具であり、色覚異常を治癒するためのものではありません」と話している。
出典:https://www.youtube.com
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)