南アフリカの内務省といえば、「仕事が遅い」「書類をなくす」「態度が悪い」「電話に出ない」など悪評がつきまとう。しかし出生や婚姻、パスポートや身分証明の発行などで必ず行かなければならない場所でもあるだけに、「内務省」と聞くだけで気が重くなるという国民も多い。この内務省のずさんな管理体制のせいで、13歳の少女が自殺未遂を図っていたことが分かった。
南アフリカでは高校入学時に、出生証明書を提出しなければならない。この少女も出生証明を申請したところ、内務省に保管してあるはずの彼女のデータはなく、それどころかすでに死亡していることになっていたのだ。これでは高校に入学できない。
彼女が行く高校では内務省から“彼女は死亡していない”といったレターを受け取り、入学を許可している。学校側によると「少女が高校に来たとき、“入学を拒否されるのではないか”と極度に緊張していた。事情を知った学校側は、出生証明以外のすべての書類はあるから大丈夫だと伝えた」としている。しかし少女は書類不備のまま入学したことでいじめを受けるなど強いストレスを感じ、自殺未遂を図った。幸いにも軽傷であったため、現在は退院している。
少女の母親は1月17日、ダーバンにある内務省の事務所マネージャーと会った。母親によると内務省からの電話がかかってくることはなく、しかも実際に会っても「出生証明書の発給に全力を注いでいる」としか説明されなかったという。
この件を知った内務省は、発給の遅延を謝罪したうえでできるだけ早く書類を用意すると述べている。一方で母親は、内務省から「忘れないように携帯で(内務省に)メッセージを送り続けてほしい」と言われたそうだ。
出典:http://www.iol.co.za
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)