南アフリカの内務省は「仕事が遅い」「書類をなくす」「対応が悪い」「人によって言うことが違う」と極めて印象が悪い。そのすべてを経験した男性が藁にもすがる気持ちで大臣のツイッターに書き込んだところ、事態は急速に動いた。
ジンバブエ人のマウパさんは2001年に勉学目的のために2年の学生ビザを取得し単身南アフリカへやってきた。そして南アフリカ大学で神学を学び牧師となったマウパさんは、そこで将来の妻となる女性アビゲイルさんに出会う。
アビゲイルさんと結婚したことにより、マウパさんには一時的に発行される配偶者ビザが与えられた。その後、順調に牧師として仕事をしてきたマウパさんは、2012年1月に永住権を申請することとなった。内務省は永住権申請に必要な書類をマウパさんに指示、マウパさんはそれらすべてを提出し、3か月後に申請の可否を確認するよう言われた。
しかし、ここは南アフリカである。お役所の言う通りのスケジュールでことが運ぶことはほぼない。内務省でも約束した3か月でビザが発給されることはまずない。マウパさんも内務省に再三問い合わせをしたが、申請から1年を経て内務省からの返事は「書類が見つからないので再度提出するように」というお粗末なものであった。
そして2014年2月、ようやく永住権が準備できたと知り内務省へ行くと、今度は「配偶者のレターが見つからない」といわれ、マウパさんは再度すべての書類を提出するよう言われた。これにはさすがのマウパさんも憤った。
あまりにも要領を得ない内務省の態度に業を煮やし、2015年11月にマウパさんは内務省のギガバ大臣のツイッターに事の顛末と内務省の仕事のお粗末さを書き込んだ。すると驚くことにギガバ大臣から返信があったものの、その後は連絡が途絶えてしまった。
マウパさんの配偶者ビザは今年8月20日で切れてしまう。このままでは違法滞在となり国を追放される恐れがある。
そこでマウパさんは8月15日の朝一番でギガバ大臣のツイッターに再度事情を書き込み、地元メディア『News24』は内務省に電話をし、マウパさんの事情を知らせた。すると同日午後1時、マウパさんは配偶者のレター、婚姻証明などの書類を再度送付するよう内務省より連絡を受け、午後3時には4年間待ち続けた書類審査があっさり終了し永住権が発給されることを告げられた。これによって、6歳と8歳の子供を持つマウパさんは国外追放を免れたのだ。これほどまでに迅速な対応は過去にないことである。
内務省は永住権発給がこれほどまでに遅くなった理由について「マウパさんが十分な書類を提出しなかったため、審査が遅くなった」と釈明している。
出典:http://www.news24.com
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)