クリスマスシーズンになると、各地のショッピングモールでサンタクロースとの記念撮影をするイベントが催される。子供たちは、サンタに会えるということで嬉々として列を作りサンタと写真を撮ってプレゼントをもらうのだ。
英紙『Metro』によると、アメリカで最も大きいショッピングモールと言われるミネソタ州ブルーミントンにある「The Mall of America(以下MOA)」で、このほど24年目にして初の「黒人サンタ」が起用されたという。
テキサス州出身で陸軍退役軍人のラリー・ジェファーソンさんは、この時期はダラスのモールでサンタをしているが、12月1日から4日までの間はMOAで子供たちを迎えた。
フォトスタジオの共同所有者であるランドン・ルーサーさんは、黒人のサンタを探し続けて来た。「多種多様の肌の色を持つ子供たちに、サンタ自身もバリエーションを増やすべきだと去年から思っていました。ようやくその時が来たのです」と『Minnesota Star Tribune』に語っている。
ルーサーさんは、20年間も子供たちとスタジオで写真を撮り続けて来たサンタ・シドさんに黒人のサンタを見つけることを依頼した。そして今年7月に、ミズーリ州ブランソンで行われた「サンタ・コンベンション」でシドさんはジェファーソンさんに出会ったのだ。
子供たちは、サンタが誰であってもほとんど気にしないとジェファーソンさんは言う。しかし、これまで白い肌のサンタしか見たことがなかった子供たちの目には、ジェファーソンさんのようなサンタは新鮮に映るのだろう。ある子供は「白くない」とジェファーソンさんに向かって発言したという。
「ここはアメリカだからね。子供たちに、自分たちと同じようにサンタにも色々なサンタがいるということを知ってもらえたらいいね」と話すジェファーソンさんは、その子にも同じことを伝えたのだそう。「でも、みんなオーバーに受け止め過ぎだよ。私はただのサンタだよ」とメディアが「アメリカ最大のショッピングモールMOAで黒人サンタ起用」と大々的に報道したことについて笑う。
「サンタは全ての子供たちに希望や愛、平和をもたらすメッセンジャー的なもの」とジェファーソンさん。陸軍をリタイア後、コロラド州デンバーにあるサンタクロースの大学を卒業したジェファーソンさんはなかなかの人気ぶりのようで、12月3日~4日は予約でいっぱい、順番待ちリストもあったという。
出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)