捨て猫を引き取り世話をしているように見せかけていたホアン・フーピンという男が、このほど成都市の動物保護センターに摘発された。
フーピンは、近隣住民には動物愛好家だと信じられていた。というのも次から次へと捨て猫を引き取って来ては、夏の暑い時期にはエアコンのある部屋で保護する様子が知られていたからだ。
しかし事実は違った。フーピンは引き取った猫を一日100匹単位で殺し、「ウサギ肉」と偽って地方のレストランに1キロ20人民元(約340円)で売り捌いていたのだ。
成都市動物保護センターの調べでは、フーピンはインターネットで「動物愛好家」のオンラインチャットに参加しており、メンバーに捨て猫を引き取ることを促していた。
フーピンは、猫を売り捌き年間約720万円もの売り上げを得ていただけでなく、自身も猫を食べるのが好きだと話しているという。今回、フーピンの倉庫に踏み込んだ動物保護団体はそこで行われていた凄惨な光景を目にし、狭い檻に閉じ込められていた49匹の猫を保護した。
世界動物保護団体は、「いかなる動物もこのような残虐な仕打ちを受けてはならない」とフーピンの行為を強く非難し、「中国では犬を食していることが世界的に批判の的となっている。猫や犬というのは家庭用ペットであり、このような非人道的な行為から守られなければならない」とスポークスマンは話している。
一方でフーピンは、地元紙のインタビューに「違法でも何でもない。頭を切り落せばウサギか猫かなんてわからないんだ。別に悪いことをしているわけじゃない」と反省の色を見せることもなく語っているという。
香港で治安判事を務めるケリー・シュイさんは「先月29日に中国本土のカップルが、犬の餌として猫を調理したことがわかり罰金を科せられました。香港と中国本土では恐らく違うのでしょうが、私たち香港人は犬や猫をリスペクトしています。ペットは人に守られていて、友達としてみなされています」と話している。
フーピンが犯したこの残虐な行為は、法律上罰せられる可能性はほとんどないとされているが、それもまた海外や動物愛好家たちの怒りを買うことになるだろうと予想される。
出典:http://www.independent.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)