突然の乱気流で乗客乗員が重軽傷といったニュースは時々報じられている。「本日は大気の状態が不安定で…」「この先強い揺れが予想されますので…」機長からのこんなアナウンスがあるたびに、“揺れ”嫌いの人々はぐっと身構え不安と闘うことになる。オンラインで座席が選べるようになった(ツアーなど例外も多いが)今の時代、せめて揺れや急降下に強いエリアを知っておきたいものである。
このほど海外の有名なQ&Aサイト『Quora』で、ある旅行者がそんな疑問を投げかけた。これに回答を寄せたのは、過去にも多数の旅行者の問いに詳しく説明してきたブルーノ・ジリッセンさんというパイロット。以下のように説明してくれた。
「4名の客室乗務員の意見を聞いたうえで申し上げます。そのうち3名が“比較的揺れが少ないのはとにかくできるだけ前の方。最後方のエリアは最悪だ”と断言してくれました。」
「その理由は機体の重心。重心は機体前方の翼があるあたりに位置しているため、重心から先は常に重い状態となり安定しています。一方で後方は尾翼の左右に昇降舵(エレベーター)がついているため、上下にブレるのは当然なのです。」
もっとも乱気流ともなれば「座ってきちんとシートベルトを着用する」、これ以上の安全対策はないそうだ。ちなみに飛行機が万が一墜落した場合、わずかな確率でも生き延びる可能性が高いエリアはどのあたりなのか。過去の20件ほどの事故調査、そしてボーイング727型機の無人機をリモートコントロールにより墜落させる実験で撮影された内部の映像では、翼より後方になるに従って生存確率が上がることがわかっているという。
出典:https://www.quora.com/profile/Bruno-Gilissen
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)