マイケルさんとテイラーさんの両親は、2人がとても愛し合っていることを十分に理解している。2人が一緒にいて幸せな姿を見ることは、親にとっても嬉しい。しかし、互いにダウン症の子供が結婚し子供を産むとなると「不安と心配でいっぱいになる」とABC TVの『Australian Story』の中で胸中を語っている。
水泳を大の得意とするマイケルさんとテイラーさんは、競技会でもゴールドメダルを獲るほどだ。長年ガールフレンドが欲しいと願っていたマイケルさんにとって、水泳を通じて知り合ったタイラーさんはまさに運命の相手だった。
20代のデートには普通、親は干渉しないだろう。しかしテイラーさんとマイケルさんの場合は、ダウン症であるために両親のサポートが常に必要となる。車を運転できない2人は、待ち合わせの場所に行くのも両親に送ってもらわなければならない。体は成長しても、精神的にはまだまだ成長できていないとテイラーさんの母キャサリンさんは言う。
双方の親は、ダウン症であっても子供たちが将来しっかり自立していけるようにと育ててきた。そして今回、その自立が結婚であり子供を産んで育てていくことであるということを理解はしているものの、諸手を挙げて賛成できないというのが双方の両親の正直な気持ちだ。仕事や生活費、育児にかかる費用などダウン症の2人にとって、現実の壁は厳しい。
「産まれてくる子供にとっても、親が2人ともダウン症であるというのは非常に難しいことだと思います。車の運転もできない、仕事もできない、算数の宿題を手伝うこともできないという状況になるわけですから」とマイケルさんの父サイモンさんは語る。息子とテイラーさんの絆を認めてはいるが、結婚・出産をゴールにするべきではないという。
マイケルさんとテイラーさんは、昨年に婚約した。しかし双方の家族が結婚と出産を懸念していることから、一緒に住むことはおろか性的関係も未だないという状態だ。これに対してテイラーさんは「子供の時は、愛が何であるかを理解できなかったけど、今は大人だから理解することができます」と話す。マイケルさんも「親が心配するのはわかるけど、僕はテイラーと結婚して子供が4人欲しい」と家庭を持つことに意欲的だ。
自分たちのことを心配してくれるのは有り難いが過保護になり過ぎるのは良くないとマイケルさんは述べているが、親としては「愛だけでは生活は成り立たない」という現実を知って欲しいに違いない。
現実に、ダウン症同士のカップルが子どもを持つことは非常に珍しいという。もし、テイラーさんが妊娠したとしても、その子供がダウン症である可能性は50%になる。
クイーンズランド州の障がい支援者であるミッシェル・オフリンさんは「親になるかならないかの決断は、2人に任せるべき」と話している。このニュースを見たネットユーザーからも「責任を持てない健常者の親よりも、よほどまともな子育てができそうだ」「2人に必要なのは家族のサポートだけ」「素敵なカップル。是非幸せになってほしい」とマイケルさんとテイラーさんを応援する声が多く寄せられている。
出典:http://www.dailymail.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)