事の起こりは今月20日、キャット・リーさん(43)がロンドンのキングス・クロス駅発のヴァージン・トレインズに付き添いの女性と乗り込んだ。障がいを持つリーさんだが、予約していた座席を先に乗っていた男性2人に占領されており、「予約しているので移動してほしい」と言っても無視されたというものであった。
しかし、リーさんの予約した席に座っていた男性が英紙『Metro』や『Daily Mail』に語ったところによると、彼女が障がい者であることに全く気付かなかったという。
電車が遅れていたために車内の全ての予約席が無効になったことをアナウンスで知ったというラジャ・タージさん(Raja Taj)は、リーさんが予約した座席に座っていた。リーさんがタージさんに「そこは私の予約席だ」と言った時には、すでに予約席は存在していなかったので、タージさんはその旨をリーさんに伝えた。
しかし慢性疼痛のあるリーさんは、足の痛みを和らげることができるヒートパッドの電源を差し込むためにプラグが設置されている席をわざわざ予約していた。そのためどうしてもタージさんに、座席を移動してもらう必要があったのだ。
タージさんが「予約席は無効になった」と主張したために、リーさんはヒートパッドを使うことができなくなった。それどころか痛みに耐えながら1時間以上、別の席が空くまで付き添いの女性に支えられながら立ち続けたのだ。
タージさんは自分がSNSで批判されていることを知り、父親にその出来事を話した。タージさんの父親によると「女性は最初から席についていた」そうで、「私は息子のことをよく知っているが、彼は高齢者など席を必要とする人なら誰にでも、席を譲るような男だ」と擁護した。
ヴァージン・トレインズ・イースト・コースト社のスポークスマンは「この件についてのコメントはできないが、基本的に予約席がキャンセルになった場合は、返金もしくはそれに代わる十分な対応をしている」と声明を発表している。
リーさんの夫ゴードンさん(45)の話では「妻は予約席の切符を男性に見せたが、すでに予約は無効になっていると言われ、席の移動を拒否された。妻は怒りを露わにしていた。足の痛みでとても疲れたようだった」という。
一方でタージさんは「彼女は障がい者であることを言わなかったし、そうは見えなかった。自分たちが席を移動しなかった時も、そんなに気にしているようには思えなかった」と話している。
双方の言い分が食い違っていることと、リーさんのFacebookの投稿がプライベート設定に変更されたことから、真実は今も明らかになっていない。しかしこのニュースの続報を見たネットユーザーからは、「予約席をキャンセルにしたのは鉄道会社だから、クレームは鉄道会社にすべき」という声もあがっている。
出典:http://www.dailymail.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)