スタッフらはすぐに準備に取りかかった。
「当初は、弁償の免除は50人ほどと見込んでいましたが、最初の2週間だけで約700人が弁償責任を免除してもらいに図書館を訪れました。想像していた以上の成果ですよ」と、ジェイソンさんは予想外の反響に驚いている。
ウースター公共図書館では、3月いっぱいを「March Meowness」と呼ぶ猫月間にして、猫をテーマにした様々なイベントを開催することにした。今回のルールは、このイベントの一環としても機能している。
非常に寛大な対応ではあるが、いくつか注意事項がある。紛失や破損したものが5点以上ある場合には、担当者による審査が必要になる。また、猫の写真や絵を持参すれば必ず免除になるという保証はなく、紛失や破損の理由が不適切なものであれば対象外になるという。
ジェイソンさんによると、このユニークなアイディアが米ニュースメディア『The New York Times』に取り上げられると、記事の掲載翌日にパンデミック以降で最多の来館者数を記録したそうだ。記事を読んだ人からは、「うちの地域でもやってほしいな」「クリエイティブで面白いアイディアだと思う」「猫の写真が新しい通貨になるべきだね」「この地域に引っ越したいよ」「最高のアイディアだ」「猫がすべてを解決することが、また証明されたね」といったコメントが届いている。
実際に700人以上の人が弁償責任を免除してもらったが、弁償責任がない人からも猫の写真や絵が図書館に届いたそうで、7000人以上から、猫以外の動物も含む1万匹を超える写真が集まった。図書館の一画には、溢れんばかりの写真や絵が飾られている。
ジェイソンさんは、「写真をシェアしてくださった方々は、ペットとの暮らしやエピソードも一緒にシェアしてくれています。亡くなってしまったが、人間や家族の心に強く残り続ける愛猫の写真も届いており、こうした写真を受け取ることは、特に光栄なことだと思っています」と話す。
本の紛失は、アメリカ国内の図書館で大きな問題になっているそうで、ウースター公共図書館も同じ悩みを抱えている。ジェイソンさんは、図書館としての取り組みを次のように説明した。
「全米の公共図書館では大規模な調査が行われており、罰金を設定したとしても、本が戻ってこないケースが大半です。罰金制度は最終的に図書館の利用者を失うことになりますし、図書館にお金を生み出すものでもないので、何の役にも立ちません。どちらかと言えば、支払われることのない借金のようなものですね。」
「私たちは年間100万もの資料を貸し出しており、数百の資料を失ったとしても、資金提供のおかげで十分な見返りがあります。私たちのコミュニティには、紛失した資料を弁償できないかもしれない低所得者もいます。」
「結局のところ、これはバランスの問題なのです。本を失くしてしまう人はいますが、その場合には、他の人がその資料を使えなくなってしまうという事実を理解してもらうようにしています。私たちは提供できるベストな資料へのアクセスを保証するため、定期的に資料を新しいものに交換したり、新しい資料を購入したりしています。」
画像5~8枚目は『PmP_Eaz Reddit「Welcome to Cameron’s car」』『The Mirror 「Coffee shop owner charges customers DOUBLE the price if they fail politeness test」(Image: SWNS)』『Burger King Deutschland Facebook「So geht Social Distancing like a King」』『yukianggia TikTok「jadi, kalian mending teriak apa beli aja?」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)