アンソニーさんは「脚がちぎれてしまうと思った」と明かしている。
ヨハンさんとワニがまるで綱引きでもするように引っ張り合う中、さらなる救世主が現れた。襲撃を目の当たりにしたアンソニーさんの妻アナリーゼさん(Annalize、33)が、大きな木の切り株を持って駆け寄り、ワニの頭を凄まじい力で殴り始めたのだ。
そばでは、ヨハンさんの妻ビアンカさん(Bianca、39)が「滑ってワニに襲われることがないように」とアナリーゼさんの洋服を掴んでいたそうで、ヨハンさんは隙を見て銃を取りに走ったという。
こうしてアナリーゼさんが無我夢中でワニを叩き続ける中、アンソニーさんも目を突き続けることを止めず、近くで銃が発砲されるとワニは口を開けて水中に姿を消したそうだ。
アンソニーさんはその後、アナリーゼさんとヨハンさんに水中から引き上げられ、その場で応急処置を施されると、ヨハンさんの車で公立病院の救急外来に搬送された。
しかし翌日になっても必要な傷の処置が行われず、家族はアンソニーさんをミッデルバーグの私立病院に転院させた。
襲撃後のアンソニーさんは血まみれで骨が見えており、脚や腹部に深い傷があるだけでなく感染症に罹っているという。両脚を失うことはなかったものの、今後は長期の治療が必要になるとのことで、ビアンカさんは次のように述べた。
「あの光景は、テレビでも見たことがないほど恐ろしいものだった。私がアンソニーの傷の手当てをした時、腹部の穴にはワニの歯が3本も刺さっていたのよ。データによると、ワニの襲撃を生き延びるのは100人に1人らしいけど、身体の半分を呑み込まれて生き残った人なんていないのではないかしら。」
なお今回の襲撃はJP君だけでなく、10歳と6歳の子供たちも目撃していたそうで、アンソニーさんは「目をつぶると今でも、あのワニが見えるよ。でも襲われたのが自分でよかったし、本当にラッキーだった」と語り、こう話した。
「実は医師に『傷があと2.5センチ(1インチ)横にずれていたら、陰部は使い物にならなくなっていた』と言われたよ。それにワニの歯は大腿動脈まであと1ミリのところに迫っていて、もしそこを噛まれていたら失血死していたそうだ。」
「ワニに襲われた時には正直、もうダメだと思ってね。ワニに振り回され、肉を引き裂かれる“デスロール”をされて、溺死すると覚悟していた。でもヨハンと妻が巨大ワニに立ち向かい、私の命は救われたんだ。」
一方のアナリーゼさんはというと、ショック状態で「襲撃後は夫が失血死するのではと恐ろしかった。それに今でも、自分が夫を救ったということが信じられないの」と語っているが、アンソニーさんはこう述べて笑顔を見せた。
「まさか妻にあんな馬鹿力があるなんて思ってもいなかった…。最悪の死から僕を救ってくれた妻の勇気には、本当に感謝しているよ。」
ちなみにダムにはワニを警告する標識が設置されていたが、地元住民はここ何年もワニの姿を見ていないそうで、今後は問題のワニを捕獲して、別の場所に移動させる予定だという。
画像は『The Sun 「CROC & AWE I was swallowed whole by a 14ft crocodile – it almost ripped my legs off until my brave wife bashed the beast with a LOG」(Credit: Jamie Pyatt News Ltd)』『9News 「‘Fingers in the crocodile’s eyes and escape’: Man’s incredible fight for survival amid vicious croc attack」(Nine)』『UK Times 「Drone footage shows the horrifying moment man is attacked by an alligator in Florida」(Twitter/ABC News)』『TCPalm 「Florida man survives alligator attack, but with 65 stitches. Here’s how he got away.」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)