80年以上も続くアメリカの映画館で、トイレのリノベーション工事中に壁の中から埃まみれの財布が発見された。中身を確認すると、一昔前のデザインのクレジットカードやモノクロの写真など時代を感じる品々が出てきた。持ち主はすでに亡くなっていたが、家族と連絡を取ることができ、無事に財布を返すことができた。財布を受け取った持ち主の娘は、「記憶が洪水のようによみがえり、母が帰ってきたかのようでした」と明かしたという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。
米ジョージア州アトランタ市にある映画館「プラザ・シアター(Plaza Theatre)」は、1939年に設立されてから80年以上も運営が続く、市内で最も古い歴史ある映画館だ。そんなプラザ・シアターで先日、トイレのリノベーション工事が行われたが、壁を剥がした際に不自然なスペースがあった。
そこはかつてのマネージャー室の一部で、遺失物の保管場所として使われていた。そして埃だらけだったそのスペースから、古びた財布が発見された。
財布発見の報告を受けたオーナーのクリス・エスコバーさん(Chris Escobar)は、バーガンディー色のその財布の中身を確認してみることにした。中には、磁気ストライプがない一昔前のクレジットカードやモノクロの写真、1959年製の新車シボレーが当たる抽選券、10ガロン(約37.8リットル)で3.26ドル(約470円)を支払ったガソリンのレシートなど、長い歴史を感じることのできるものが入っていた。
クリスさんは、「財布はまるで過去への入り口のようでした。そして『この財布が65年間も、この地域に住む家族の手から離れていたのか』と気付き、ご家族に返すことができたらいいなと考えました」と当時を振り返る。
持ち主はすでに亡くなっているだろうと推測したクリスさんは、持ち主の家族を特定するため、さらに財布の中を調べてみることにした。すると免許証が見つかり、