頭蓋結合双生児として誕生した兄弟(5)が昨年6月、3歳の時に分離手術を受け新しい人生の一歩を歩み出した。兄弟はゆっくりではあるものの確実に成長を遂げており、両親は家族全員が一緒にいられることの幸せを嚙みしめているという。英ニュースメディア『The Sun』などが伝えた。
ベルナルド君(Bernardo)とアルトゥール・リマ君(Arthur Lima)は2018年、ブラジル北部ロライマ州の田舎町で頭部が結合した状態で誕生した。2人は一方が上向き、もう一方が下向きで頭蓋が繋がっており、「ブラジルでの手術は不可能」とまで言われたが、2022年にリオデジャネイロで計7回の手術を受け、6月に分離された。
手術はVR(仮想現実)技術が活用され、イギリスの小児神経外科医ヌール・ウル・オウェイス・ジーラニ氏(Noor Ul Owase Jeelani)の協力のもと、最後の手術には100人近いチームが編成され、27時間以上が費やされた。
結合双生児の分離手術は通常、1歳前に実施すると回復が早く、合併症も最小限に抑えられると言われる。しかし兄弟は当時3歳で、分離手術を受けた頭蓋結合双生児としては最年長だった。難しい手術を執刀できる医師がなかなか見つからなかったうえ、家族のリオデジャネイロへの引っ越し、パンデミックなどが遅延に繋がったという。
それでも手術は成功し、アルトゥール君は2022年10月31日に、ベルナルド君は11月19日に退院。昨年は生まれて初めて、2人の姉を含む家族と一緒のクリスマスを過ごした。
母アドリエリーさん(Adriely)によると、特にアルトゥール君は家での生活に慣れるまでに時間がかかったそうで、「あの子たちは誕生以来ずっと病院暮らしで、いつも機械に囲まれた騒がしい環境にいましたからね。家の静けさが理解できなかったようですよ」と明かすと、こう続けた。
「アルトゥールは最初の3日間、ベッドで眠ることができず、ソファー、キッチンのトースター、冷蔵庫、洗濯機、テレビでさえも恐がっていました。私たちにとっては普通でも、彼にとっては初めて見るものばかりでしたから…。ただベルナルドはアルトゥールほどでもなく、初日からぐっすり眠っていましたよ。」
そんな2人は今年9月に5歳になり、今月には家族と一緒の2度目のクリスマスを自宅で迎えた。回復はゆっくりで、2人の発達は健常な5歳児とは程遠いが、