ブラジルのリオデジャネイロで今年6月、頭蓋結合双生児で3歳になる兄弟の分離手術が行われ、無事成功していたことが明らかになった。手術はVR(仮想現実)技術を活用し、イギリスの小児神経外科医ヌール・ウル・オウェイス・ジーラニ氏(Noor Ul Owase Jeelani)の協力のもと100人近いチームが編成され、27時間以上が費やされた。
ベルナルド君(Bernardo)とアルトゥール・リマ君(Arthur Lima)は2018年、ブラジル北部ロライマ州の田舎町で頭部が結合した非常に珍しい頭蓋結合双生児として誕生した。2人は一方が上向き、もう一方が下向きで頭蓋が繋がっており、普通に歩くことも座ることもできずにいた。
両親が最初に助けを求めたのは、リオデジャネイロのパウロ・ニーマイヤー州立脳研究所「Instituto Estadual do Cérebro Paulo Niemeyer」の小児外科医長ガブリエル・ モハレジュ氏(Dr.Gabriel Mufarrej)で、兄弟は2年半にわたりケアを受けた。
手術が実現したのは今年初め、モハレジュ医師が英ロンドンの慈善団体「ジェミニ・アントゥワインド(Gemini Untwined、以下GU)」に分離に関するアドバイスを求めたことがきっかけで、ジーラニ医師の指導のもとVRを駆使した数か月にわたる準備が続けられてきた。GUはジーラニ医師が2018年に設立、頭蓋結合双生児の研究や手術を手掛けており、今回の手術はパキスタン、トルコ、イスラエルなどに続いて6例目となった。
リオデジャネイロでの手術はジーラニ医師が中心となり、6月7日と9日の2回(合計33時間)を含めた計7回が行われ、