米イリノイ州の動物園は今月1日、飼育していたメスのマモンツキテンジクザメが産卵して子どもが孵ったことを報告した。このサメは同園で飼育を開始してからオスと一緒に過ごしたことは一度もなく、今回は交尾のない“単為生殖”であったという。記録上、マモンツキテンジクザメの単為生殖は米国で2例目という珍しいケースだった。米ニュースメディア『New York Post』などが報じている。
サメの“単為生殖”を報告したのは、米イリノイ州ブルックフィールドにあるブルックフィールド動物園(Brookfield Zoo)だ。同園は2019年、当時3歳だったメスのマモンツキテンジクザメ(epaulette shark)の飼育を開始した。
マモンツキテンジクザメは夜行性で、ニューギニア南岸からオーストラリア北岸にかけての水温が温かい海域の浅瀬の砂底に生息している。極度の低酸素環境に耐えることができ、筋肉質な胸ビレを持つ特徴がある。この胸ビレを使い、短距離であれば海底を歩くことができ、陸に上がることもあるという。また、体をより大きくみせるため、頭部の後方に大きな目玉のような模様を持っている。英名の“epaulette”は、軍人や警察官の制服や礼服などの肩につける、官職・階級などを示す“肩章”を意味しており、目玉の模様が肩章に似ていることからこの名が付いたと言われている。
同園が飼育を開始したこのサメは、2022年の初め頃から毎月2~4個の卵を産むようになった。そのほとんどは無精卵だったが、ある日1個の受精卵が見つかり、