10月6日に退院するとカナダのバンクーバーから越境し、10月9日に中国に飛んでいた。
当局は当時、「重傷を負ったティンの退院はまだ先だろう」と信じて疑わなかったうえ、HMBがティンの退院を当局に知らせなかったそうで、キング郡の検察局が逮捕状を発行したのはティンが中国に飛んだ2日後だった。
検察局はティンを「危険運転致死傷罪」の容疑で起訴し、200万ドル(約2億9900万円)の保釈保証金を設定していたが、出国後ではどうすることもできず、このケースはアメリカ合衆国司法省に委ねられた。しかし、もし出国前に逮捕状が発行されていたら、ティンは裁判所の許可なしでワシントン州を出ることもできず、パスポートも取り上げられていたはずだったという。
ワシントン州では通常、危険運転致死傷罪には懲役6年半~8年半が科せられるが、米国と中国の間には犯罪人引渡し条約の締結がないため、中国はティンの身柄を米国に引き渡す義務はないそうだ。ただ今後、ティンが犯罪人引渡し条約を終結しているヨーロッパの国などに旅行した場合には、米国に身柄が引き渡されることも十分あり得るとのことで、ベルビュー警察署の広報担当者セス・タイラー氏(Seth Tyle)はこのように述べている。
「もしティンがアメリカに戻ってくるようなことがあれば、すぐに逮捕されるでしょう。我々は彼女が米国に戻り、この件についてしっかりと向き合うことを望んでいます。そうすれば被害者の家族も前に進むことができるでしょうから。」
なおティンとヤバオさんの関係については不明だが、2人ともワシントン州で働くために滞在していたそうで、中国在住のヤバオさんの遺族は今後、ティンに対して何らかの法的措置を取る可能性もあるという。一方でベルビュー警察署は現在、連邦行政機関や国際刑事警察機構らとパートナーを組み、ティンの逮捕に向けて尽力しているそうだ。
ちなみに先月にはイタリアで、キャンピングカーを含む3台が絡む事故が発生し、フェラーリに乗っていた2人が死亡した。ルールを無視した無理な追い越しが原因で、当時の衝撃的な動画が拡散すると運転手に対して厳しい声が上がった。
画像は『Metro 2023年11月3日付「Moment ‘drunk’ Porsche 911 driver flies off highway before ‘fleeing US’」(Picture: KING 5 Seattle)(Picture: Bellevue Police Department)』『The Sun 2023年10月3日付「SUPERCAR HORROR Two burn to death in supercar tour crash as Ferrari and Lamborghini smash into camper van during overtake」(Credit: Jam Press Vid)』『New York Post 2023年1月30日付「Accused drunken driver breaks down after learning pregnant fiancée died in NYC wreck」(Seth Gottfried)』『Teri Vandiver Stevens 2022年9月17日付Facebook「THIS IS THE BUS!!!!!!!」』『Houston Chronicle 2020年10月28日付「Suspect seen drinking beer on Facebook Live video moments before crash that killed 3 in Harris County」(Photo: Facebook)』『NJ.com 2019年11月11日付「Porsche crashes into second story of building, killing 2, police say」(Ed Murray | NJ Advance Media for NJ.com)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)