イギリスで先月30日から今月2日にかけて、12歳の少年が運営する複数のフードバンクに泥棒が入った。「困っている人を助けたい」との思いで3年前にフードバンクを始めた少年は、これまで食料品や日用品など様々な寄付を集め、支援を必要としている地元の人々に配ってきた。警察によると、フードバンクからは40ポンド(約7300円)相当の食料品が盗まれたそうだ。今回の事件をイギリスの公共放送『BBC』などが報じると、「酷すぎる」「卑劣極まりない」などといった声があがっている。
英ウスターシャー州レディッチで暮らすアイザック・ウィンフィールド君(Isaac Winfield、12歳)は2020年12月、自宅の軒先でフードバンクを始めた。それ以降、彼は食料品や日用品など様々な寄付を集め、支援を必要としている地元の人々に配っている。
母親のクレア=ルイーズ・チャップマンさん(Claire-Louise Chapman)は、アイザック君がフードバンクを設立したきっかけについてこのように振り返った。
「私たちは毎年、クリスマスの時期になると学校を通じてフードバンクに寄付をしていました。子供たちは5ポンド(約920円)で誰が一番たくさん袋に食料を入れられるかを挑戦するのが大好きで、家族の伝統行事になっていました。でもパンデミックの影響で転校することになり、以前のように寄付をすることができなくなったのです。そこで、どうしたら人々を助けられるだろうかと家族で話し合った結果、寄付する予定だったお金をアイザックに渡すことにしました。アイザックはそのお金で簡易組み立て式の温室を買い、家の敷地内にクリスマスライトがついた温室を設置し、その中に食料品を入れてフードバンクを開いたのです。」
その後、地元のFacebookに取り上げられたことをきっかけに、アイザック君を応援して食料を寄付してくれる人が増え、それらの支援を必要としている人もどんどん集まったという。
思わぬ反響に驚いたクレアさんたちは、フードバンクを継続させるため自宅の敷地内に食料を置くための小屋を建て、