印象的な4連の真珠とダイヤモンドの留め金で、エリザベス女王のジュエリー・コレクションの一部だったのだろう。
カミラ王妃が派手な帽子や派手なジュエリーを身につけ、華やかさを演出したのに対し、ブリジット大統領夫人はそれとは正反対のミニマルでフランス的なスタイルで登場した。ブリジット夫人は膝丈のドレスに、ショート丈のスペンサー風ジャケットを合わせ、ボタンはとてもシックなネイビーのインクボタンで留めた。カミラ王妃が着ていたロングコートとは対照的に、小さなジャケットが彼女のウエストを強調していた。ブリジット夫人は、ルック全体もモノトーンでフランスカラーであるネイビーブルーのアンサンブルを選んだ。
今回チャールズ国王は、パリ到着後すぐに凱旋門の炎を灯し、無名戦士の墓のふもとに花輪を捧げる儀式を行った後、シャンゼリゼ通り(8区)を車で通過した。9月20日の朝に発表された警察当局の声明によると、19日の午後7時以降、さまざまな措置がとられた。エトワール広場(凱旋門がある広場)、シャンゼリゼ通り、フォブール・サントノーレ通り(有名ブランドの旗艦店が立ち並ぶ通りで、大統領公邸もこの通りに位置する)周辺では駐車が禁止された。その結果、当局によれば「車両の通行は禁止され、歩行者は目視検査と手荷物検査を受ける必要がある」とのことだ。また、「デモや花火の持ち歩き及び使用」も禁止され、危険動物の連れ込みも禁止されている。エリゼ宮(大統領公邸)と英国大使館を含むエリアにおいても、20日から同様のセキュリティ対策が適用されている。
到着初日は、ヴェルサイユ宮殿で160人ほどの招待客を招いた晩餐会が行われた。翌21日、チャールズ国王は午後の早い時間にパリ中心部に位置するノートルダム寺院を訪れるため、この地域でも大規模な警備体制が敷かれた。
これだけ厳重な警備が敷かれるチャールズ国王の隣国フランスとの外交デビューの場であるにもかかわらず、妻同士は政治の枠を超え、長年の親友のような親しみを見せた。特にブリジット夫人の「ビズ」がそのきっかけを作ったといってもいい。45歳のエマニュエル・マクロン仏大統領と70歳のブリジット夫人。そのスタイルはとても70歳とは思えぬほど、若々しく40代と見間違われても不思議ではない。一方でその立ち居振る舞いやいざという時の勝負所での行動力、判断力は70歳という年齢を重ねた女性の堂々とした胆力を思わせる。現在76歳のカミラ王妃も同じく、チャールズ国王より2歳年上である。今回のチャールズ国王の初訪仏は、ブリジット仏大統領夫人の大胆な舵取りをきっかけに、英仏の年上妻同盟の発足を予感させるものとなった。
画像1~3枚目は『The Royal Family 2023年9月20日付Instagram「Thank you for the warm welcome to Paris, President @EmmanuelMacron and Madame Macron.」』『Emmanuel Macron 2023年9月20日付Instagram「Vos Majestés, bienvenue.」「Signe de confiance et d’amitié, votre visite en France nous touche profondément.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 リエコ)