英国王チャールズ3世(74)は、即位後初めてカミラ王妃(76)と共に9月20日に凱旋門に到着した。今回、国王夫妻は3日間、国賓訪問としてフランスに滞在する。滞在中のプログラムは綿密に計画されており、当日は8000人以上の警察官と憲兵が配置されている。本来即位後の初来仏は、今年の3月27日にパリとボルドーを訪問する予定だったが、当時フランス全土で年金改革に反対するデモが発表され混乱状態にあったため、直前にキャンセルされた経緯がある。英国をしても、隣国との重要な事実上の外交の場となる今回の満を持しての国王訪仏。そこで、チャールズ国王とカミラ王妃が大統領官邸であるエリゼ宮入りをした時に、何より大きな注目を集めたのが、カミラ王妃とブリジット大統領夫人(70)の違いとブリジット仏大統領夫人の大胆な歓迎手法だった。なかでも、あまりにも鮮烈で放胆、かつ明敏なブリジット夫人とその行動が英仏両国のみならず、各国での話題を席巻している。
ブリジット仏大統領夫人はチャールズ国王と握手を交わしたのに対し、カミラ王妃には両方の頬にキスをする「ビズ」を贈った。
通常フランスでは、プライベートで親しい間柄でのみ「ビズ」を贈り合う。当然ながら政治家が外交の場で交わすことなどない。どうやらカミラ王妃とブリジット夫人の間には、「難しい話は抜き」にした女性同士の交友があるようだ。英王室の規定では、国王はおろか王室の一員に初めて会う者は、陛下の合図を待たなければならない。さらに最初の挨拶の後は、接触は最小限にとどめなければならず、王室の一員に触れたりキスをしたりすることは嫌われる。王室礼儀作法の専門家は「女王にキスやハグをしようとすることは、王室の重大な失態となる」と苦言を呈し、ブリジット夫人の「ビズ」を無礼と批判する声も一部ではあがっているが、ブリジット夫人とカミラ王妃が会うのはこれが初めてではなく、そもそもブリジット夫人は王室メンバーではないため、マナー違反ではないというのが大方の見方だ。とはいえ、英王室の王妃への挨拶に「ビズ」を贈ったブリジット夫人の行動は大胆なものであり、マクロン仏大統領の年上妻として「肝の据わり方が違う」ところを世界に大きく印象付けた。
彼女達の対照的な服装にも注目したい。
昨年9月に崩御されたエリザベス女王を彷彿とする服装と品位を持ち合わせるカミラ王妃。最高気温24度の早秋のパリの下、鮮やかなキャンディピンクのドレスとコートを選んだ。このアンサンブルは、エリザベス女王お気に入りのロンドンのファッションハウス「フィオナ・クレア」のウールクレープで作られたもののようだ。ビビットな単色の鮮やかな衣装は、夫の母へのオマージュともいえよう。そしてミリナーの「フィリップ・トレイシー」による帽子と、「シャーロット・エリザベス」のハンドバッグを合わせていた。また、彼女が身に着けていたネックレスは、