下肢が融合し人魚のような脚を持つ女児が今年2月、5歳の誕生日を迎えた。母親は出産前、医師に「生存は無理だろう」と言われたそうだが、女児は脚の手術を受けて義足で歩けるまでになったという。母親が「奇跡の子」と語る女児について、英ニュースメディア『Metro』などが伝えている。
米テキサス州ラボックに住むブレアー・スパイビーちゃん(Blaire Spivey、5)は2018年2月7日、非常に稀な先天性奇形「シレノメリア」をもって誕生した。
シレノメリアは下肢が癒着し、まるで人魚のように見えることから「人魚症候群」とも呼ばれている。2021年4月の医学雑誌『Journal of Medical Case Reports』によると、6万~7万人の妊娠に1人の割合で発生するという。ただ子宮内や生後数日で命を落としてしまうことがほとんどで、ある程度生存できたのは数例と言われている。泌尿生殖器系や消化管の奇形を伴うことが多く、発生原因は完全に解明されていない。
ブレアーちゃんのケースでは、下肢が融合していることに加え、両脚の膝下が後ろ向きに生えていた。また腎臓の先天的な形態異常「馬蹄腎」を発症し、左右の腎臓が下方で融合して馬の蹄のような形をしていたという。
母親のノエルさん(Noelle、35)が病気を知ったのは、妊娠12週で行った初めての超音波検査で、医師には「非常に稀で致死的な状態。胎児は『生存できるかどうか』という問題ではなく『いつ亡くなるか』という状態にある」と言われたそうだ。
ノエルさんは当時のことを「人魚症候群と診断された胎児のほとんどが、腎臓や腸、性器が上手く発達しないと聞いてね。私は医師の言葉に涙し、『いったいどんな子が生まれてくるのだろう』と恐怖で震えたわ」と振り返る。
それでもブレアーちゃんは、