ジョーは現地時間20日の午後に動画を生配信し、用意した1万ポンドの紙幣すべてをシュレッダーにかけたのである。この大胆な抗議がデヴィッドに対する批判を高めることになった。
なおジョーは翌21日に動画を公開し、シュレッダーにかけたのは本物の紙幣ではなく1万ポンドは慈善団体に寄付したと明かした。
そしてデヴィッドに向けて「あなたからの連絡は期待していなかったよ。みんなの話題になるように仕組んだ、空の脅しだった。いわばあなたとカタールの取引みたいなものさ。最初から全くのゴミだったんだ」と語った。
20日には、元豪代表サッカー選手のクレイグ・フォスターが豪テレビ番組『The Project』にゲスト出演し、「僕達が思い描くデヴィッド・ベッカムの姿は、取り返しがつかないほどのダメージを受けた」と強く批判した。現在クレイグはサッカー解説者を務めるほか、人権問題の活動も行っている。
クレイグは「彼はゲイのアイコンとなり、それが自身のブランドの一部となった。だけど今は世界中のLBGTIQコミュニティの人々が、それは本物ではなく単なるブランドのひとつに過ぎなかったと感じているだろう」と話した。
デヴィッドはイングランド代表チームのキャプテンだった2002年、英ゲイ向け雑誌『Attitude』の表紙をプレミアリーグのサッカー選手が飾るという史上初の快挙を成し遂げていた。
クレイグはさらに「カタールでのLBGTIQコミュニティの犯罪化や抑圧に触れることなく同国を宣伝し、外に向かって素晴らしい国だと言えるとは。彼が過去20年間に行ったすべての発言に明らかに反している」と述べ、こう続けた。
「彼は非常に強力なブランドを持ち、ポジティブな変化をもたらすことができる立場にある。自分の誤りを認めて振り返り、彼ら(LGBTIQコミュニティ)のために発言してくれれば素晴らしいのだが。」
そんなデヴィッドについて、SNSでは「彼の評判を永遠に汚すことになる。金持ちによる、吐き気がするような決断だ」「デヴィッドは血税による報酬を受けている」「アンバサダーになったことを恥じるべき!」と非難の声が殺到している。
現地時間20日にはカタール北部のアルホールにあるアルベイト・スタジアムで開会式が開催されたが、英BBCはこの様子を中継せず、カタールでの人権問題や大会を取り巻く論争に関する番組を放送した。
This is the moment comedian Joe Lycett shredded £10,000 of his own cash after David Beckham failed to end his controversial multi-million-pound World Cup promotion deal with Qatar.
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— Sky News (@SkyNews) November 20, 2022
画像は『David Beckham 2022年10月15日付Instagram「Our city..」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)