その間“セラピー”や“コーチング”という言葉すら聞いたことがなかったという。
この王子の発言を受け、慈善事業を行う非営利組織「アルフレッド・P・スローン財団」プログラムディレクターのドロン・ウェーバー氏(Doron Weber)は、サミット後に「これまで見えなかったものが見えるようになり、彼(ヘンリー王子)の人生は変わった」と自身のアカウントでツイートしている。
しかし実はヘンリー王子、過去にセラピーを受けたことがあった。
12歳で母ダイアナ妃を亡くしたヘンリー王子は2017年4月、英紙『The Telegraph』のインタビューで当時のことを「全ての感情を封印し、悲しみや嘘や誤解で完全に壊れそうになった」と明かしていた。
ヘンリー王子は20代後半になると状態が悪化し、兄のウィリアム王子(当時)にプロの助けを求めるように勧められ、セラピストに複数回会ったという。また長年にわたって抱え込んでいた不安に対処する方法として、ボクシングを始めたことも同月に米誌『COSMOPOLITAN』が伝えている。
ヘンリー王子と妻のメーガン妃は、メンタルヘルスの重要性について常にオープンに語ってきた。メーガン妃は2021年3月に放送されたオプラ・ウィンフリーによるインタビューで「王室に入った後に自殺願望を抱いていた。助けを求めても王室は何もしてくれなかった」と告白。また同インタビューでヘンリー王子は、治療を始める力を「妻に与えてもらった」と話していた。
過去にセラピーを受けていたにもかかわらず、その言葉すら聞いたことがなかったと述べたヘンリー王子。最近ではNetflixによるヘンリー王子とメーガン妃のドキュメンタリーシリーズの内容に多くの矛盾があることが判明し、撮影中に夫妻が語った言葉とヘンリー王子が執筆した自叙伝の内容が食い違っていることが報じられたばかりだ。
昔の辛かった記憶は書き換えてしまったのか? 事実とあまりにも異なる発言は信頼を失うだけだ。王室を離脱し別の生き方を選び、自信が持てるようになったというヘンリー王子。誰に振り回されることなく、真実のみを伝えて欲しいものである。
画像は『The Prince and Princess of Wales 2021年9月15日付Twitter「Happy Birthday Prince Harry!」』『BetterUp 2022年10月20日付Instagram「BetterUp CEO Alexi Robichaux and @reidhoffman are about to take the stage」「CYMI: BetterUp CEO Alexi Robichaux and CIO」』『The Duke and Duchess of Sussex 2019年9月6日付Instagram「Today, we are excited to be able to announce details」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 雨宮瑠亜奈)