ハドリーちゃんについてこのように語っている。
「娘の病気が分かった時はショックでした。仕事柄、2000人以上の出産に立ち会ってきましたが、娘の病気は聞いたこともなかったのです。『なぜ私の子が?』と苦しみましたが、帝王切開で出産した瞬間、娘への愛おしさが込み上げてきました。」
「誕生した娘は頭が大きく変形していましたが、そのほかの健康には異常はなく、集中治療室で4日間を過ごすと退院できました。しかし生後2か月を過ぎると眼球が突出し、9月には脳の中に水が溜まる水頭症でシャント手術を受けました。また手術後には感染症を患い、生後4か月だった10月には右目を摘出、その後はマサチューセッツ州のボストン小児病院で頭蓋形成手術を受けたのです。そして生後13か月になると、医師は娘の呼吸を楽にするために気管切開術を行いました。さらに2歳の直前には100分も続くけいれん発作を起こし、脳性麻痺と診断されたのです。」
「娘の誕生後1年は、夫婦間での口論も絶えませんでした。でも祖父母をはじめ、医療スタッフ、非営利団体『小児頭蓋顔面協会』などのサポートでなんとか乗り切ると、家族の絆はより深いものになりました。」
こうして複数の手術に耐え、命の危機を何度も乗り越えてきたハドリーちゃん。気管切開で呼吸が安定するようになるとずいぶん落ち着いたそうで、今年6月には6歳の誕生日を迎えている。支えられないと座ることができず、肘が硬直し、難聴で全ての成長がゆっくりとのことで、小児科医、脳神経外科医など9人の専門医のサポートを受けているものの、彼女なりのペースで一歩一歩前進しているという。
クリスティさんはそんな娘について、このように吐露している。
「娘がいるということはいいもので、ハドリーの穏やかさや笑顔に癒されます。ハドリーは私たち家族のことを認識していて、家族がそばにいると興奮するのですよ。特にいつもケアをしてくれる祖母(アンドリューさんの母)や、一緒に遊んでくれる2人の兄、飼い犬が大好き。テレビを見て、歌に合わせて声を出すことも、音が出るおもちゃで遊ぶこともあるのです。」
「ケアをするのは決して楽ではありませんが、ハドリーは家族に喜びをもたらしてくれるのです。そして何より家族みんなに愛されているのです。ハドリーの成長はカタツムリと一緒。ゆっくりですが、確実に前進しています。それに今はとても健康なのですよ。」
一方で「障がいを持つ子供たちや、その家族への偏見をなくしたい」と、娘とのやりとりをSNSに投稿し続けるアンドリューさんは、「娘は他の子と変わらない」と明かし、こう述べた。
「障がいを持ち、外見が人と違う娘を見て『なぜ中絶しなかったの?』『この子は何もできないのでしょう?』などと聞いてくる人がいます。SNSには心無い声も多数上がります。でもそんなことを言ってくる人は、娘がどんなに素晴らしいのかを知らないのです。私は娘にチャンスを与えてあげたいと思っています。」
「6歳になったハドリーは『あれは嫌』という自己主張をするようになりました。成長こそゆっくりな娘ですが、私たちに『障がいがあってもいいんだよ。完璧でなくても大丈夫』ということを教えてくれています。ハドリーが私たちのもとに生まれてきたのにはきっと意味があるのです。」
「もし障がいを持つ娘のような子を見かけたら、無視したりせず、声をかけて欲しいのです。そして娘の病気についてもっと多くの人に知ってもらいたいと思います。」
画像は『Hadley 2022年4月3日付Instagram「Reminiscing…」、2022年9月16日付Instagram「Let’s talk about the prevalence of Pfeiffer Syndrome….1 in 102,000.」、2022年4月15日付Instagram「When you don’t know the destination, be sure to enjoy the journey.」、2022年5月9日付Instagram「Happy Mother’s Day」、2022年6月25日付Instagram「Three (almost) best friends」、2022年10月6日付Instagram「Wednesday wind down」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)