野生動物の宝庫である南アフリカとはいえ、目の前に動物が現れるとそれは死をも意味することになる。ムプマランガ州ムボンベラ市の村に住むンドゥミソ・モナさん(Ndumiso Mona、23)は先月、自宅近くに現れた野生のヒョウとばったり遭遇、死を覚悟しながらも素手で戦い抜いた。体にも心にも深い傷を負ったモナさんは、その死闘の様子を『News24』に語っている。
モナさんがヒョウと戦ったのは7月21日朝のことだった。当時のモナさんは友人と近所の店の前にいたが、野生のヒョウが自宅の近くに出没しているという情報を聞いた。どうやらヒョウがクルーガー国立公園から逃げ出したらしく、小学校に通う2人のきょうだいがいるモナさんは「家に戻らなければ」と自宅に走って向かった。その途中、背後に唸り声を聞いたので振り向くと、そこに1頭のヒョウがいたのだ。「お互いの目をじっと見つめ、2分くらい向かい合って立っていた」とモナさんは当時の恐怖を語る。「心臓が激しく鼓動していた。ヒョウは口を開き、鋭い歯を見せ、今にも飛びかからんばかりに威嚇している。もう後戻りはできないと自分に言い聞かせて拳を握った。どちらかが死ぬことになるが、それは自分ではないと強く言い聞かせた」というモナさん。数分間見つめ合った後に、ヒョウは彼に飛びかかった。
ヒョウが右前足でモナさんを攻撃すると、モナさんはヒョウの胸を殴った。ヒョウは倒れたが、またすぐに飛びかかってくる。ヒョウが顔を狙ってくるので、モナさんはヒョウの首を掴んだ。すると後ろ足でズボンを引き裂かれたという。モナさんとヒョウは地面に倒れて転がるが、モナさんはヒョウの首を離さなかったそうだ。
双方が地面に倒れて睨み合いが続いたが、