友人の助けを借りながら不安定な足場で行動していた。落下の危険と隣り合わせになりながらもイブラギムさんは女児の右足を掴んで引っ張ると、落ちてきた女児を見事にキャッチし、下の階の部屋で待機していた友人に女児を受け渡して救出に成功した。その後、イブラギムさんも無事に部屋の中に入ると、マンションの下で見守っていた人々から拍手が起こった。通報を受けて緊急車両2台と7人の救急隊員が現場に到着したが、その時点ですでにイブラギムさんが救出を終えていたという。
イブラギムさんは「あの時はただ『あの子を助けたい』と思った」と振り返っており、救出後は女児の両親に会うことはなくその足で仕事に向かったそうだ。
この救出の様子を捉えた動画がネット上で拡散されると、イブラギムさんの勇敢な行動に「なんて素晴らしい救出だ」「これは相当な勇気が必要だよ」「これこそが本物のヒーロー!」など多数の称賛の声が届いた。
イブラギムさんは「私の行動がヒーロー的なものだとは思っていません。このような状況では誰もが手を貸すべきだと思います」と謙虚な姿勢を見せたが、その勇敢な行動がクルシバエフ非常事態省第一副大臣の目に留まり、イブラギムさんは表彰を受けメダルが授与されることになった。
さらにイブラギムさんには、3部屋ある家とテレビが贈られることになったと報道されている。家族と離れて暮らすイブラギムさんは仕送りをしていたが、これからは娘3人と息子1人を含めた家族と一緒に生活することができるという。
なお今回は無事に救出されたが、悲劇的な結末を迎えていた可能性もあった。非常事態省は「子どもを大人の目の届かない場所に置き去りにしないでください。また小さな子がいる時には窓を開けたままにしないでください。一瞬でも目を離した際に子どもの命が奪われたり、障害が残ってしまうかもしれないのです」と注意を促した。
画像は『Metro 2022年5月12日付「Hero saves three-year-old girl hanging from eighth-floor window」(Picture: social media/e2w)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)