1月から4月にかけて多くの種類のクジラを観察することができるという。ホエールウォッチングにおいては「クジラやシャチなどの海洋生物と一定の距離を保たなければならない」というルールが定められており、市民保護局のベンジャミン・ガルシアさん(Benjamin Garcia)は「ボートの操縦者はクジラが海中から近づいてきたことに気付いていなかったのでは」と推測している。
一方で同州の民間防衛機関は「ボートはかなり速いスピードで移動していた」と公表しており、クジラのすぐそばをこのようなスピードで移動していたことに疑問の声もあがっている。事故の詳細については現在、関係機関が調査中とのことだ。
オーストラリア海洋哺乳類センター(Australian Marine Mammal Centre)によると、今回のようなボートとクジラの衝突事故は“シップストライク(ship strikes)”と呼ばれており、近年は増加傾向にあるという。
同センターは「同地域のクジラの個体数が増えていることに加え、クルーズ船や海上運送、石油やガス探索などの産業の成長により接触事故が増えています。またプレジャーボート(海洋レジャーに使われる小型の船や水上オートバイなどの総称)の使用の拡大もシップストライクの増加の一因となっています」とコメントしており、衝突事故によるクジラの個体数や人間の生命・財産への影響を懸念している。
穏やかなイメージの強いクジラだが、過去にもホエールウォッチング中に女性2人がカヤックごとクジラの口の中に飲み込まれそうになる衝撃映像が捉えられ、話題を呼んでいた。
画像は『Metro 2022年4月25日付「Tourists flung into the air after their boat hits a whale」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)