生まれつき顎がほとんどなく、幼い頃からいじめや偏見に苦しんできた男性は今から約2年半前、生涯を共にする女性と出会い結婚した。「ありのままの自分を晒し、もっと自分に自信を持とう」と前向きになれたことが人生を変えるきっかけになったそうで、『New York Post』などに自身の思いや望みを語った。
米イリノイ州シカゴ出身のジョセフ・ウィリアムズさん(Joseph Williams、41)は、非常に稀な先天性形態異常である「口顔指症候群」を患い、生まれた時から顎がほとんどない。
ジョセフさんの母は双子を妊娠したものの1人は死産で、ジョセフさんも生後数日で顎の形成手術を受けるなど苦難が続いた。
ジョセフさんは「母は誕生した私を見てかなりのショックを受けたようです。私の顎の手術は数回行われ、骨や皮膚移植が行われましたが、成長するにつれ拒絶反応を起こし上手くいきませんでした。私は養子に出され、新しい家族のもとで育ちました」と明かすと、これまでの人生についてこのように語った。
「顎がない私は話すことができず、2歳で手話を学びました。手話のほかに身振り手振りで伝えたり、ノートに書いたり、携帯電話に文字を入力してコミュニケーションを取ることもあります。また呼吸を楽にするために首の前方に穴を開けて管を入れており、食事は胃ろうからミキサー食を注入して摂るため食べ物を味わったことはありません。」
「つらいのは人に指をさされたりジロジロ見られることです。私の顔を見て逃げていく人もいるほどで、その度に『病気について面と向かって質問してくれたらいいのに』と思っていました。また小さい頃から何度もいじめられ、隠れて泣きたくなったり、命を絶とうと思ったこともあるほどです。」
「そんな私を周りの人は『君にはそれはできないだろう』と言って守ろうとしてくれましたが、私は『病気だからできない』と行動を制限されることを望んではいませんでした。ただ一方で『自分は価値がない人間なのでは』と自信が持てず、女性とのデートは躊躇していたのです。」
ところが2019年の暮れのこと、