個人情報を特定できるものを警察官に提示して財布を受け取った。そして入っていたお金を数えてみると、なんと少しも減っていないことが判明した。
エドゥアルドさんの財布が写っている写真を見ると、20ドル札が大量に入っていることが確認できる。4000ドルを全て20ドル札で用意した場合、その枚数は200枚にのぼる。このせいで財布に厚みが出ておりお金がたくさん入っていることが分かるのだが、それでも財布を拾ってくれた女性はお金を盗らずに警察に届け出たのだ。
「日本では落とし物をしたら必ず返ってくる」と海外でも信じられているが、さすがに日本でも現金が40万円以上も入った財布が無事に戻ってくるとは到底思えない。ましてや大都会ニューヨークの街中で落とした物が盗まれずに返ってきたことに、エドゥアルドさんは「警察と財布を拾ってくれた女性の親切な行動は、世界にはまだ正直な人がいることを証明してくれました」と大感激していた。
なお過去には英ロンドンで、落ちていた財布を拾った男性がSNSを用いて自力で探し出したこともあった。こうしたニュースを見ると、落とし物の財布を持ち主に返したいと思う親切な人は少なくないのかもしれない。
そのことは2019年に研究者らにより行われた調査で明らかにされている。世界40か国350都市で17000個以上の財布を落としどれだけ返ってくるかを見て、人々の正直さを試す調査が行われた。全ての財布に連絡先の書かれた名刺を入れ、さらにその中でいくつかの財布にだけ少額の現金を入れた。返ってきたのは現金の入っていた財布が51%、現金の入っていない財布が40%という結果となり、現金が入っていた財布の方が返ってくる確率が高かったのだ。
また別の実験では、94.15ドル(約1万円)が入った財布と13.45ドル(約1500円)が入った財布、そしてお金が全く入っていない財布を用意し、わざと落としてどのくらい戻ってくるかを検証した。するとお金の入っていない財布は46%返ってきたことに対し少額のお金が入った財布は61%、そして高額のお金が入っていた財布にいたっては72%という驚きの数字を叩き出していた。
画像は『New York Post 2022年3月4日付「Wallet with $4,000 lost in Times Square incredibly returned to owner」(NBC-TV 4 NYC)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)