ウクライナの首都キエフで生まれ育ったオレナ・シモネンコさん(Olena Symonenko)が、ロシア侵攻後の家族や避難の様子、現在の心境を激白した。「こんなことが起きるなんて信じられない」と涙ながらに語るオレナさんのパワフルなインタビューを『BBC Woman’s Hour』が伝えている。
ロシアによるウクライナ侵攻開始から24日で1か月が経過した。首都キエフはロシア軍の攻撃が続き、女性や子供の多くが生まれ育った街から避難した。オレナ・シモネンコさんもそんな一人で、6歳の息子を連れてポーランドを目指した。
オレナさんは「先月25日の午前4時、『住んでいたアパートが爆撃を受けて破壊された』と叔父から連絡がありました。母と私たち家族は同じ建物に住んでいましたが、生まれ育った家が壊され、帰る場所がなくなってしまったのです」と明かし、このように続けた。
「私はシェルターが近くにあるキエフの友人の家に隠れていましたが、私たちが生きている間に映画のような最悪の事態がウクライナに起きるなど考えたこともありませんでした。これは妥当な選択ではなく、全くあり得ないことです。私たちの子供たちになぜこんなことができるのでしょう。」
「私の息子はとても勇敢です。昨年は新型コロナウイルスの後遺症で苦しみましたが、6歳とは思えないほどしっかりしています。そしてやっと困難を克服したと思ったら、今度はこれです。私たちは逃げる時、息子に『旅行に行くのよ』と伝えました。でも空を飛ぶ爆撃機や逃げる人々、車で流れた5分間のラジオのニュースを聞いて、息子は『僕が何も理解していないと思っているかもしれないけど、全てを知ってるよ』と言ってきました。」
「そして『戦争が終わって欲しい。ロシアの大統領にはいい人になってもらいたい…人々が普通に暮らせるようであって欲しい』と言ったのです。」
「息子は大丈夫なふりをしていますが、彼はまだ6歳です。6歳の子がこんなことを言うのですよ。考えてもみてください。」
オレナさんは夫の運転で6日間をかけてウクライナ西部に移動し、